SNSの声:
「大手引っ越し会社に頼もうとしたら断られた 他の会社も3月は厳しいかもって…」
「引っ越し会社が見つからないよー」

この記事の画像(15枚)

引っ越ししたくても業者が見つからない…そんな「引っ越し困難者」が急増。
143の引っ越し会社を対象に行われた調査ではおよそ半数の会社が「今年の春 引っ越し困難者が発生する」と回答しています。

その背景に迫るべく、13日「めざまし8」は神奈川県内で行われた、引っ越し作業を取材しました。

今シーズンの引っ越し件数は「過去最高」引っ越し困難者も?

依頼者は4月から大学院に通うことが決まった神奈川県に住む一人暮らしの女性。約6㎞離れた東京の八王子市内への引っ越しです。

神奈川県から八王子市に引っ越す女性
神奈川県から八王子市に引っ越す女性

東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター作業スタッフ:
荷物の方、確認させてもらいますね。洗濯機と冷蔵庫。
お部屋の中、見えてる物はすべて荷物は運んじゃっていいですか?

テキパキと進む引っ越し作業。この日、作業スタッフは2人で、この後さらに2件の引っ越しを行うといいます。

東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター作業スタッフ:
繁忙期で家族、単身、学生の引っ越しがかなり多くなってます。転勤するお客さんやら進学する学生さんもいるので、どうしても3月は引っ越しが多い時期になっています。

3月16日から4月7日までが引っ越しのピーク
3月16日から4月7日までが引っ越しのピーク

国土交通省などが作成した引っ越しの混雑予想によると、今年は3月9日から混雑し始め、今週末から4月7日までがピークとなっています。

ただ、今年の引っ越しシーズンは、これまでとは、大きく状況が異なるというのです。

東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター遠藤充営業部長
東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター遠藤充営業部長

東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター遠藤充営業部長:
今年、過去最高になりますね、こなしてる件数は。おそらくなんですけれどもコロナ禍で引っ越しを見送っていた方というのがたくさんいらっしゃって、コロナが落ち着いてその方たちが一斉に動き出しているんじゃないかなと。単身の賃貸とかですと2年更新みたいな方が多いと思うので、そのタイミングで引っ越しされているのでは。

こちらの会社には、この1カ月で2000件の依頼があり、多い日には、1日70件の引っ越しを行っていますが、それでも…

東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター 遠藤充営業部長:
日によって、お断りしているケースがあります。昨日で10件近くは泣く泣くお断りしてる。

こうした状況は、大手の引っ越し業者ではどうなのでしょうか?
北海道から沖縄まで全国各地に事業所を持つ「アート引っ越しセンター」を取材しました。

全国展開の大手の引越センターの状況は?

アート引越センターコールセンターのスタッフ:
4月中のお引っ越しでよろしいでしょうか?何名様のお引っ越しでいらっしゃいますか?

アート引越センターコールセンター
アート引越センターコールセンター

コールセンターに50人以上のスタッフを配置し、鳴り止まない依頼の電話に対応しています。
3月13日の時点では、依頼を断ったケースは、ない、とのことですが…

アート引越センター関東受注センター 田中早苗センター長:
だんだん月末、それから4月の上旬に向けてお引越しのご依頼が増えている状況になっております。これから日によってはエリアによってご案内ができない。可能性も出てくると予想しております。

2024年問題
2024年問題

さらに、4月からはトラックドライバーの時間外労働の上限が、年間960時間に規制される「2024年問題」が重くのしかかります。

物流ジャーナリスト 坂田良平氏
物流ジャーナリスト 坂田良平氏

物流ジャーナリスト 坂田良平氏:
物流の2024年問題で働ける時間が短くなるわけですから当然、運べる荷物も少なくなって引越し困難者がたくさん出てしまうっていう状況にあると思います。

引っ越し会社では、トラックドライバーが短い勤務時間で多くの引っ越し依頼に応えられるよう工夫。近場のエリアに絞って受注するなど対策を重ねているといいますが…

東京トータルサービスKIZUNA引越しセンター 遠藤充営業部長:
単身のミニマムなお引越しでしたらこなせるんですけど、ご家族様のような大きな規模のお引越しですとトラックの用意が難しかったりですとか、物量と言いますか規模の違いで受けられる、受けられないが出てきちゃいますね。

実は今、予約困難に加え依頼者に大きくのしかかるのが、引っ越し費用の上昇です。

予約困難な上に引っ越し費用も急上昇

神奈川県から八王子市に引っ越した女性:
10社くらい見積もり出してもらって、一番最初に見積もり出してもらった会社が、一人暮らしで近い距離なのに19万円と言われてそんなことあるって…、「検討してみます」と言ったら「12万円にしてあげます」って言われてそれも高いなと言ったら「9万9千円」になった。

結局、「単身での引っ越しで19万円」という提案をした会社を断ったという女性。
今回、依頼をした会社では4万円で引っ越しをすることができました。

69の引っ越し会社を対象に行った調査によると、今年の繁忙期の平均成約単価の予測は、13万4000円。5年前と比べて、およそ3万円も上昇しています。

アート引越センター関東受注センター 田中早苗センター長
アート引越センター関東受注センター 田中早苗センター長

アート引越センター関東受注センター 田中早苗センター長:
燃料ですとか原材料が上がってドライバーの人材不足っていうところがあります。
当社としても従業員の給与を上げるなど企業努力を行っているんですが、お引っ越しの費用は上がっている状況です。