元日に発生した能登半島地震。石川・珠洲市の牧場では牛舎が被災し多くの牛が死ぬなど、酪農に大きな影響が出ている。地震で牛舎が倒壊し、出産が近い乳牛を内灘の牧場に引き渡す決断をした牧場があった。

30頭近い牛が…珠洲市の牛舎が倒壊

石川・羽咋市にある堀田牧場は、育ててきた乳牛30頭のうち、2歳前後のメス3頭を内灘町のホリ牧場に引き渡すという大きな決断をした。

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堀田牧場・堀田秀二さん:
内灘の堀さんに相談して引き取ってもらうことにしました

今回の決断をした理由は…。

堀田牧場・堀田秀二さん:
地震で完全に畜舎が崩落してしまって、崩落というかつぶれてしまって。中にいた乳牛は全部生き埋めになってしまって、珠洲で今、30頭くらいの牛が静かに眠っています

堀田牧場は、羽咋市の牛舎で2歳ほどまで育てると、珠洲市の牛舎に移し、出産・搾乳を行ってきた。しかし、地震で珠洲市の牛舎は倒壊。復旧のめどが立っておらず、このままでは搾乳することができない。

堀田牧場・堀田秀二さん:
ここで育って、赤ちゃん作って向こうへやった牛が結構いるんだけど、名前つけて育ててきたんやけど、大変残念な結果になってしまった

堀田牧場・堀田秀二さん:
本来は珠洲に連れていって、向こうで一緒に酪農したかったんやけど、この子らと

牛はわが子と同じ。
堀田さんは、いつか珠洲の牛舎を修理して酪農を再開する予定だ。

堀田牧場・堀田秀二さん:
向こう行ったら向こうの牛と仲良くなって、堀さんいい人だから、この子らも幸せになれると思う

被災した牛を引き取り“酪農支える”

そして1時間半後、内灘町のホリ牧場に到着した。

約400頭の乳牛を飼うホリ牧場。
この牧場も断水が続いていたが、1月27日にようやく解消した。

ホリ牧場・堀牧人管理獣医師:
いろんな方から、能登の農家さんもかなり被害を受けられてることは聞いてましたので、やっぱ何かできることはないかなというところで、向こうよりは何とか飼うにも水がありますし、今だったら来られるのかなということでOKしました

能登半島地震で大きな被害を受けた畜産農家。
ホリ牧場は今後、クラウドファンディングを行い、被災した牛を引き取って能登の酪農を支える考え。

(石川テレビ)

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