山形県内は、1月22日朝の最低気温が4月並みになるなど、真冬らしくない日が続いている。山間部を除いて積雪もない中、米沢特産の在来野菜「雪菜」の生産にも影響が出ている。

雪の中で育てる「雪菜」が…

2023年1月、外国人留学生が雪菜の収穫を体験していた。

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米沢の在来野菜の「雪菜」は、冬の始めに成長した株を土から抜いてわらで包んで雪の下に置き、花茎(とう)と呼ばれる茎の部分を成長させる。

畑一面に雪が降り積もっていた2023年から一転…。22日、同じ畑を訪れると、本来は雪の下にあるはずのわらがむき出しになっていた。

雪菜 生産者・佐藤了さん:
異常気象なんてもんじゃない。農家泣かせだ

ベテランも経験がない“危機的状況”

佐藤了さんは、雪菜栽培を始めて30年のベテラン生産者だ。こんなに雪がない冬は初めてだという。

雪がないとわらの中の温度を一定に保てないため、雪菜の株が夜の冷え込みで凍り、日中の暖かさで腐ってしまう。

傷んだ部分をそぎ落として出荷していて、出荷量は現時点で例年の約7割に落ち込む見込みだという。
佐藤さんは、こうした天候が毎年続くようなら、豪雪の米沢で受け継がれてきた雪菜を守っていけなくなると心配している。

雪菜 生産者・佐藤了さん:
米沢市の、ここにしかない珍しい野菜。何とか続けたい。あまり多く降らないで、ちょうどよく降ってほしい

雪菜が直面する危機的な状況に生産者は「これからでも」と、恵みの雪を待ちわびている。

(さくらんぼテレビ)

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