東京・日野市の住宅街にある30年以上放置された所有者不明の「空き家」。行政が"都内で初めて”処分する手続きを開始した。

所有者・相続人不明 30年以上放置の空き家

東京・日野市の住宅街に、異様ともいえる建物があった。

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住宅街で一際目を引く木造家屋。伸び放題の草木がびっしりと囲み、まるでお化け屋敷のような佇まいだ。

玄関口も草で生い茂っている
玄関口も草で生い茂っている

この家屋について周辺住民は、「家を建てて30年以上になるがもうあった。どなたもいなくて」と話す。ボロボロの家屋は30年以上も、放置されてきた空き家だ。

周辺住民:
かなり古いので、もし台風とか来たときに屋根が崩れて飛んできたりとか、大丈夫かなと…。

地域の悩みの種となっている、危険な空き家。日野市によると、30年ほど前に所有者の住人が亡くなり、日野市側も処分ができない状態だったという。

日野市側も所有者を探したりしたが…
日野市側も所有者を探したりしたが…

日野市都市計画課 浅川浩二課長:
(空き家の)相続人の方を捜してはいましたが、(親族)108人までは調べ上げることができたが、その先までは(調査が)難しい状況。

都内初の決断…空き家の処分へ

そこで日野市は、これ以上放置するのは危険と判断し、ある決断を下した。

日野市都市計画課 浅川浩二課長:
(裁判所に)申し立てをして、土地・建物を処分するという運びにはなっている。

日野市は12月12日、東京地裁に空き家の処分を申し立てたと発表。都内で所有者が不明の空き家を処分する手続きは“初”となる。

その発表に対し周辺住民は「そうなんですね!すごくうれしいです!放火の危険や台風がすごく心配だったので」と喜んでいた。

日野市は2023年度中に空き家を処分できるよう調整を進めている。
(「イット!」12月14日放送分より)