里山だけでなく、市街地でもクマに襲われてけがをする被害が出ている秋田県。生活圏でクマによる被害が相次ぐ背景の一つには、クマの餌となる果樹の放置がある。そんな現状をなんとかしたいと、放置された柿の木の有効活用に情熱を注ぐ秋田・能代市の男性が、柿の収穫を体験してもらうイベントを開いた。

柿の収穫を「イベント」に

柿の形をした帽子と、柿の色のつなぎがトレードマークの柿木崇誌さん。

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放置されている柿の木に関心を持ち、代行して収穫と管理にあたっている。収穫した柿は加工・販売している。

「次なる挑戦をする」と聞きつけ、柿木さんの元を訪れると、大館市の住宅街に何やら幻想的な空間が現れた。

柿木さんに「これは何か」と尋ねると、「柿狩りハロウィンナイトです」という答えが返ってきた。

日頃から手掛ける柿の収穫を「イベント」にしたようだ。

クマ被害の軽減にもつなげたい…

柿木崇誌さん:
柿が放置されてクマやサルが来て獣害になっているので、どうにかして収穫したいところだった。平日の日中だと収穫する人が集まらないので、夜の仕事終わりに集まって、かつハロウィンの時期なのでハロウィンナイトにしようと

初めての開催となった10月23日は、大館市や鹿角市から7人が参加。柿木さんの指導を受けながら作業を進めた。

人生初の柿狩りに挑戦した参加者は、柿木さんに勧められるままに収穫した柿にかぶりついたが、その渋さに顔をゆがめていた。

参加者:
柿の収穫をしたことがなかったので、初めての体験をしたいと思って来た。すごく楽しかった。木から外すのは堅かったけど、無事収穫できた

「県全体の課題としてみんなで解決」

収穫した柿は、地元の福祉施設などに皮むきを依頼し、その後、柿木さんがドライフルーツに加工。10月29日に開業するJR大館駅の新しい駅舎で、土産物として販売される。

柿木崇誌さん:
エリアは関係なく、県全体の課題としてみんなで解決して、地域の垣根を越えられたらと思っている

イベントの参加には費用が必要だが、自分で採った柿や加工品を持ち帰ることができる。今後の開催予定は、柿木さんのSNSで発信される。

(秋田テレビ)

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