九州産交バスグループの運転士はコロナ禍前の2019年3月は711人だったのが現在は643人、1割近い68人減少している。こうした中、九州産交バスグループは運転士不足解消を目指し、10月から国内の業界初という「選べる賃金制度」を導入した。

業界初導入の「選べる賃金制度」

九州産交バスグループが10月に導入した「選べる賃金制度」とは、新規採用のバス運転士が入社時に「退職金あり賃金制度」か「退職金なし賃金制度」を選択できるようにしたものである。

この記事の画像(4枚)

「退職金なし」を選んだ場合、40歳未満は月額1万5,000円、40歳以上59歳までの人は月額2万5,000円が上乗せされる。

九州産交バスによると、国内の業界では初の取り組みで、例えば40歳で入社し「退職金なし」を選んだ場合、これまでより年間約30万円手取りが増えるということである。

九州産交バス・園部元弘管理課長:
中途採用の運転士は40代が多い。20年勤続しても退職金が魅力あるものにならないこともあるため、退職金なしを選んで少しでも月額を生活のために稼げるように今回設定した

労働環境の整備で公共交通機関維持へ 

また九州産交バスグループでは入社時の支度金をこれまでの10万円から25万円に増額、そして大型運転免許保有者には30万円を分割支給するほか、休日もこれまでの年間84日から104日に増やした。

九州産交バス・園部元弘管理課長:
公共交通機関を維持しなければならない役割がある。少しでも運転士を確保して既存の運転士の労働環境もよくしていくことが大事。

九州産交バスグループは新たな制度で人材獲得、離職率低下を目指すとしている。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。