ロシア軍のウクライナ侵攻から1年が経過した。いまだ終決の兆しは見えず、8,000km離れた日本に住むウクライナ出身者も心が休まる日はない。福井に住む谷川イリーナさんもそのうちの一人。「国が違っても同じ人間。みんな仲良く暮らしてほしい」と涙ながらに訴える。

社会インフラ破壊で電力不足深刻に

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イリーナさんは日本人男性と結婚し、福井・小浜市で和菓子職人として働いている。故郷はウクライナ南東部のカミアンカという小さな町だ。今も両親と弟が生活を続けている。

谷川イリーナさん:
全然違う場所に住んでいるのが悔しい。どう手伝えばいいのか全然わからない…

イリーナさんは毎日、電子メールやSNSで何とか家族と連絡をとっている。故郷は幸い危険な状態には陥っていない。ただ社会インフラが破壊されたことで、電力不足が深刻化しているという。

谷川イリーナさん:
朝6時から8時まで電気が使えない。冬で外が暗いので、仕事にいく時に困っている。お湯や水は電気で家に引き入れているので、電気がないと外に取りにいかないといけない

日常を奪われ…メンタルケアが難しい状況に

ウクライナ国内ではインターネットや電話でのコミュニケーションも困難になっている。日常を奪われた状態が1年間続き、イリーナさんは家族の精神状態を心配している。

谷川イリーナさん:
これまで当たり前だった普通の生活ができない。友達と会えない、旅行に行けない。何か好きなことしたくてもできないから、メンタルのケアが難しくなっている

軍事侵攻から1年。イリーナさんが願うことを涙ながらに訴えた。

谷川イリーナさん:
国や文化は違うけど、同じ人間ですから…。地球は一つしかないから、みなさん仲良く暮らしてほしい

(福井テレビ)

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