大坂なおみ選手を裏方としてささえた鳥取のストリンガー

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テニス全豪オープンで初優勝し、世界ランク1位となった大坂なおみ選手。歴史的な快挙を果たした大坂選手を裏方として支えた男性がいる。

大坂選手が試合で使ったラケットを現地で調整していたのは、実は鳥取市でテニスショップを経営している玉川裕康さん。テニスの大会の多くでは大会ごとに公式のガットを張る職人「ストリンガー」が招集され、それぞれ選手を担当する。全豪オープンでは世界から26人のトップスプリンガーが招集され、玉川さんはそのうちの一人。今大会は大坂選手の他に錦織圭選手など、国内外の複数の選手を担当した。

玉川さんによると、大会を通して5500本のラケットが必要で、一人で500本張るという。大会では選手の要望にいかに応えられるかが問われる。ガットを張る強さ、テンションは、機械に数値を入力し作業するが、常に同じテンションに調整するには高い技術が必要とされる。玉川さんは「環境が夏ということ、ハードコートということ、ボールの種類などで細かい調整が必要。経験しかないですね」と話す。大学卒業後ストリンガーとなった玉川さんは、鳥取市でテニスショップを経営する傍ら、国内の大会を中心に経験を積んだ。2008年に北京オリンピックの公式ストリンガーとして国際大会デビューし、リオオリンピックでは錦織選手を担当し、銅メダル獲得に貢献した。こうした経歴が認められ、全豪オープンには4年連続で招集されている。日本人で4大大会のストリンガーを務めるのは現在6人しかいない。

玉川さんは以前にも大坂選手を担当したことがあったが、大坂選手は昨年からパワーをコントロールする練習をして、よりラケットにパワーを求めて弾きのいい糸に変えたと聞いたという。大坂選手のラケットは、2017年からパートナーを組み、これまで指導した4選手をすべて世界ランク1位に導いているサーシャ・バインコーチが管理している。玉川さんは道具への意識の変化も大坂選手の躍進の要因ではないかと話す。「それまでは本人がテンションとか本数を決めていたが、コーチに任せてから用具を事前に準備する姿勢、臨む形は大きな違い」

玉川さんが調整したラケットで見事優勝を飾った大坂選手。玉川さんは「今回のような一戦で張っていけることは光栄なので、そういう場にまた行きたいと思う」と話した。