【取材記者報告】豪雨から命を守るために 高めたい災害情報への“感度”

テレビ静岡 カテゴリ:地域

(入口鎌伍記者)大規模な被害が起きた翌日の7日に広島県に入り11日まで取材してきました。

訪れたのは広島県熊野町と広島市安芸区です。

熊野町では土砂災害が起きた現場や避難所を取材し、安芸区では専門家の調査に同行しました。

熊野町の川角地区にある大原ハイツという住宅団地は、至る所が土砂で寸断され登山道を歩いて入るしかないという「陸の孤島」に近い状態でした。

団地を歩いてみると、山から流れ出た何十本という木が壁に突き刺さっている家があったり、土砂に押しつぶされた車が何台も転がっていたりと凄惨な状況でした。

    

土砂は膝くらいの高さまで堆積していて、足を取られたのは1回や2回ではありませんでした。

住民の言葉からも土砂災害の恐怖が伝わってきます。

住民「ドーンという音がして、見たら車がサーッと流されて出てみたら(土砂が)ここまで来ていて恐しかった」

「パニックになって、目の前で火事が起きて溺れたが子供に見つけてもらい助かった」

現地を調査した静岡大学防災総合センターの牛山素行教授によれば、元々は過去に起きた土石流が堆積して形成された場所ということです。

こうした土地の特徴や2014年に広島市で起きた土砂災害を受け、熊野町は3年前から町内の土地の基礎調査を行っています。

被害が大きかった大原ハイツ周辺は2017年3月に土石流に対する特別警戒区域や警戒区域に指定されました。

また、町はこうした情報をハザードマップにまとめ5月に地区の全戸に配布しています。

しかし、残念ながら犠牲者が出てしまいました。

今回の警報や避難情報を時系列で見てみます。

雨が強まったことを受け、町は午後5時に避難準備情報を発令しました。

その後午後7時には避難勧告を発令、7時40分には気象庁が大雨特別警報を出したことで町も避難指示を出しました。

牛山教授は警報や避難情報に対する住民の警戒心が薄れていることを危惧しています。

牛山教授「避難指示が遅かったという指摘が一部にあるが、避難勧告は(それ以前に)ほとんどの地域で出ている。

従来だと避難勧告が出ただけで『大変だ』と我々は考えてきたが、どうも避難勧告というものがもしかすると軽視されている部分があるかも知れない」

今回、住民に聞いても「避難勧告と指示」の違いがわからないという人が何人かいました。

政府は避難勧告や避難指示のガイドラインを見直す方針を固めましたが、そもそも勧告や指示の意味を住民が理解していなければ同じ悲劇が繰り返されてしまいます。

避難情報や警報の意味合いを周知徹底することこそ、私たち報道機関や自治体の役割だと感じました。

    

梅雨は明けましたが、静岡もいつ豪雨災害に襲われるかわかりません。

自分の住んでいる場所や勤務先については、それぞれの自治体が公開しているハザードマップでどんな危険が潜んでいるのかを知っておくことが、命を守ることにつながります。