「防災重点ため池」69→654ヵ所に 対策と住民は・・・ 長野 

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「防災重点ため池」というのを知っている?豪雨などで決壊した場合、浸水区域に住宅や公共施設などが存在し、人的被害を与える恐れのあるため池。これまで長野県内で指定されていたのは「69カ所」。それが去年の西日本豪雨で決壊する被害が相次ぎ、国が指定基準を見直したところ、9.5倍の「654カ所」に増えた。指定されたのは長野市が最も多く、現状や対策、地元住民の受止めなどを取材した。

長野市稲田にある「稲田上ノ池」。古くからある農業用のため池で、貯水量はおよそ2000トン。

(記者リポート)「こちらのため池は、それほど大きくはないですが、住宅地にとても近いということで今回、防災重点ため池に指定されました」

(長野市森林農地整備課担当)「直下に住宅が密集しているということで、決壊した場合には人的被害が生じる恐れがある」

過去に水が溢れたり、決壊したことはない。今回の指定について住民は。

(長野市森林農地整備課担当)「こわいね。下に住んでいる人は。心配だね。どこに逃げたらいいか」

指定基準見直しのきっかけとなったのは、去年の「西日本豪雨災害」。2府4県であわせて32カ所のため池が決壊し、広島では3歳の女の子が流されて死亡した。この32カ所のうち、「防災重点ため池」に指定されていたのは、わずか3ヵ所だけだった。

この災害を教訓に基準の見直しが行われ県内は69カ所から654カ所と大幅に拡大。4割近くが防災重点ため池に指定された。地域別では長野市が64カ所で最も多く、次いで上田市が62カ所、佐久市が52カ所などとなっている。では、指定により、どのような対策が行われるのか?

(長野市森林農地整備課担当)「地元の危機管理の意識を強く持っていただくという意味でハザードマップ作成をしている」

長野市の田子池は見直しの前から指定されていた「ため池」。過去に被害はないが、下流には住宅地が広がっている。

(長野市森林農地整備課担当)「こちら5月に公表になったもので田子池のハザードマップなんですけれども」

「ハザードマップ」には、決壊した場合の浸水区域や深さ、到達までの予想時間、避難所などが記載されている。田子池の場合、池のすぐ下と、川を流れて数キロ離れた場所も浸水域になっている。

(田子池の下流に住む人)「(避難の準備は)してあります、リュックサックの中に食べ物とか飲み物とか」

今後の対策は県と市町村が連携して行い、影響度の高いものからハザードマップの作成や水位計などによる監視体制の整備、必要な対策工事などを行う方針。一方、利用されていないため池は廃止も検討するという。

(長野市森林農地整備課担当)「(県や国との)連絡体制の配備とか、ため池の浸水想定区域図の作成ということまで今年度は検討している。緊急時の迅速な避難行動に繋がる対策を今後講じていきたい」

ため池だけでなく、洪水や土砂災害を想定したハザードマップ、または防災マップが自治体ごとに出されている。自分の住んでいる地域の危険な場所を再確認し、出水期への備えをするのが大事になる。