消えぬ日本海の不安・イカ釣り船団が出航 山形

さくらんぼテレビ 地域

半年以上にわたり日本海などで操業するイカ釣り船団の出航式が行われた。北朝鮮が強硬姿勢を軟化させ、弾道ミサイルの脅威は弱まったものの、去年相次いで確認された違法操業船への不安は消えないままだ。

山形県酒田市の酒田港で行われたのは、中型船11隻からなるイカ釣り船団の出航式。スルメイカは酒田港に水揚げされる主要品目の一つで、船には大漁旗がはためいていた。酒田市や県漁協の関係者、乗組員の家族などが参加した式では、航海の安全と大漁が祈願されたが、やはり気になるのは北朝鮮の動向だった。佐藤長悦郎船団長は「県や国の機関には安全対策の構築をお願いし、事故のないよう安全第一を心がけ大漁をみなさんに届けたい」とあいさつした。

酒田のイカ釣り船団は日本海を北上するスルメイカを追いながら、酒田港の西約600キロにある大和堆から北海道沖、ロシア海域にまで足を伸ばす。しかし大和堆は日本の排他的経済水域にも関わらず、去年、北朝鮮漁船による違法操業が相次いで確認された。海上保安庁によると、今年も5月終わりごろから大和堆の付近で1日に数隻から数十隻の北朝鮮の小型船が確認されている。

(乗組員)

「去年以上の船が来るのではないかと不安。そういう今までにない不安を抱えながらの出航。出てみないと分からな

いのであれだけの船が来なければよいなと願うばかり」

6月12日に米朝首脳会談が予定され、弾道ミサイルの脅威はひとまず沈静化しているが、大和堆という絶好の漁場をめぐり、不測の事故が起きかねない。県漁協では今年から水産庁からの情報を受けられる通信設備を全てのイカ釣り船に整備した。仮に北朝鮮の船が現れた場合、接近しないための回避ルートを受け取る事ができる。

(記者)

「家族と船を結ぶ紙テープには無事に帰ってきてほしいという願いが込められている」

イカ釣り船団はおおよそひと月ごとに他県の港に船上で冷凍したスルメイカを水揚げしながら来年2月まで操業を続ける。酒田港に戻るのは半年以上先。乗組員たちは家族と共に食事をとったり写真を撮ったりして別れを惜しんでいた。

(乗組員の家族)

「乗組員の家族にしてみたら心配。そういうものにあわないよう願うだけ」

(乗組員の家族)

「北朝鮮はどうしようもないかと思うので、安全に来てもらえるよう願っている」

今年は去年より多い2500トンの水揚げが見込まれている。