老舗焼失で問われる歴史・文化継承~福井あわら温泉・べにや火災から1週間 

福井テレビ 地域

5月5日に発生したあわら市の「べにや」が全焼してから1週間となります。老舗温泉旅館の焼失は、あわら温泉自体の歴史と文化をどう未来へつなげていくかという課題も投げかけています。

火事で、国の登録有形文化財にも指定された木造2階建ての本館、中央館、東館の計約3100平方メートルを全焼しました。

警察と消防は火事の原因を調べていますが、燃え方が激しく、焼失範囲も広かったため、火元・出火原因ともに特定には至っていません。

あす12日で火事から1週間というこの日、家族や従業員が焼け残ったものがないか、がれきを掘り起こす姿が見られました。

多くの貴重な品が失われましたが、「べにや」と刻まれた看板が残りました。1956(昭和31)年のあわら大火からの再建時に掲げた看板で「復活の象徴」です。

べにやは、芦原温泉が開湯した1883(明治16)年の翌年創業。その歩みはあわら温泉の歴史そのものです。

昭和の大スター石原裕次郎さんらにも愛されたべにや。この日は石原プロモーションの役員も駆けつけました。統括取締役の浅野謙治郎さんは「一刻も早い復興を祈ります。体に気を付けて」と社長の奥村隆司さんを励まします。

奥村さんは「あきらめて旅館をやめることはあわら温泉にとっても良くないはず。看板を守って復活してあわらの発展につなげたい」と話しました。

こうした決意を受けて、市内15の旅館やホテルで作る芦原温泉旅館協同組合は、べにや側から要望があれば従業員の雇用などに協力したいとしています。