新たな候補地浮上の可能性も!?地上イージス巡り自民党秋田県連が「新屋演習場は難しい」

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 自民党の秋田県連幹部がき12日、菅官房長官と河野防衛相に面会し、地上配備型ミサイル迎撃システムイージス・アショアの秋田市の陸上自衛隊新屋演習場への配備反対の意思を伝えた。自民党県連が配備計画に対し態度を明確にしたのは初めて。

 自民党県連会長の金田勝年衆院議員など秋田県連の幹部は12日防衛省を訪れ、河野防衛相に要望書を手渡し新屋演習場は住宅地や学校にあまりにも近いという現実や地元の住民感情を踏まえると配備には無理があると言わざるを得ない」と述べた。

 自民秋田県連は配備地の選定にあたり、住宅地や学校などからの距離を重要な考慮要素とし、地元の理解を得た上で計画を進めるよう求めた。

 これに対し河野防衛相は「再調査をしっかりやって本当の意味でのゼロベースで検討するということに何ら変わりはない。住宅地などからの距離が重要要素であるというのは国会で答弁している通り」と応えた。

 このあと自民党県連は菅官房長官にも面会し、同様の要望をした。

 面会を終え、秋田県議の鶴田有司副会長は「県内の9候補地の現地調査を独自に進めてきた。調査の最終段階にきていることろだから私たちの思いとして、あるいは地域の思いをしっかりと伝えるべきじゃないかということで要望に至った。感触としては菅長官からも河野大臣からも明言はなかったが、新屋配備はない方向に進むんじゃないかと感じた」と話した。

 秋田県と秋田市に続く「新屋演習場への配備反対の意思の表明」ということになったが、現在は防衛省の再調査の最中。秋田県側の意思がいかにくみ取られるかは今後の政府の出方を慎重に見極めるということに尽きる。

 ただし政府与党の一員が反対の意思を伝えたというのは大きな意味を持つことになる。

 少しおさらいしておくが、防衛省の再調査の対象は県内では新屋演習場のほかに9カ所。このほか青森・山形では計10カ所。

 先述したが、自民党秋田県連はこの県内の9カ所で独自の現地調査をし、検討した結果、新屋演習場は難しいという結論に至った。

 一方で県連から政府にこんな提案もしたようだ。金田会長が「仮に現在の20候補地に最適な場所が見つからない場合それ以外も含めて検討したらどうかという話も話題になった」と明かした。

 これは防衛相と面会した際の話で、大臣は「参考にしたい」と答えたということ。

 現時点ではあくまでも可能性の話だが、当初防衛省が「新屋演習場以外に配備に適した土地はない」とした際に作られた資料を見ると、新屋演習場以外は何らかの条件を満たさず全て「不適」とされている。

 一般論だが一度「駄目」としたものをやっぱり「適している」と覆すには、該当する自治体や住民などを納得させる、相当論理的な理由が必要だ。

 20国有地以外の土地が「配備候補地」とされる可能性は十分に考えられるといえる。

 また自民党県連として反対の立場を明確にしたということで気になるのが地元住民からの配備反対の意思表明を求める請願の取り扱い。

 秋田県議会議員でもある県連の鶴田有司副会長は「これまで請願を継続審査にしてきた。秋田県内には新屋演習場以外に9カ所の候補地がある。その方々の心情を思うといまの段階で新屋だけを候補地から除外するということは責任ある立場としてそういうことができなかった」と話し、自民党会派としての対応は「変わるものではない」としながらも検討の余地を残した。

 この請願についても審議される2月秋田県議会は14日開会。

 秋田市議会でも最大会派「秋水会」などの意見で継続審査が続いている。

 どのような再調査結果を防衛省が出すのか、そして議会としての意思はどう示されるのか、それぞれの動きをしっかり見ていく必要がある。

 なお、秋田市の穂積市長は14日開かれた定例会見で自民党県連が河野防衛大臣に申し入れしたことについて「政権与党から申し入れがあったことは、今までと違って重く受け止めざるを得ない。より重く受け止めると思う」と評価した。