明日への羅針盤「被災地の新たな挑戦」 全町避難が続く福島・双葉町の挑戦

カテゴリ:地域

福島第一原発が立地する福島県双葉町は原発事故で町の全域が避難区域となり、町民は今も避難生活を余儀なくされている。

こうした中、双葉町は震災の翌年から町の現状を紹介する動画を制作しインターネットで公開してきた。

双葉町・伊澤史朗町長:「町の復興状況を、今の現状ということで見ていただけるのは《双葉は復興してきているな》という風に思ってもらえる。帰町帰還に少しでもつながるのかなと思っています」

【2019年6月、新たにスタートしたのが…】

英語の音声と字幕で制作した動画を世界に配信する試み。

きっかけは福島県や双葉町の復興に懐疑的な海外メディアの報道だったという。

双葉町・伊澤史朗町長:「『福島はまだまだ厳しいよ』と。『特に双葉町は、人が戻るのに厳しいような状況だ』というようなネガティブな報道になっているのを感じた。だったら自分たちで世界の皆さんに福島の双葉町ってこういうふうに復興が始まっているんですよということを伝えたい。いい部分、悪い部分、両方とも見ていただきたいなと」

【動画を制作するのは「福島の再生」を支援する「ONE福島」】

広報誌や公式ブログの制作も手掛けるいわば「町の宣伝部隊」

動画の制作・編集を担当するのは遠藤順之さん。

双葉町の状況を段階的に説明するなど外国人にも分かりやすいように工夫をこらしている。

ONE福島・遠藤順之さん:「海外の方に伝えるというところで、やはり段階的に情報を出す必要がある。とりあえずは町の現状からお伝えして、その後、町にある伝統芸能の話であったりとか…」

動画の再生回数は国内向けの動画には及ばないのが現状だが、続けることに意味があると信じている。

ONE福島・遠藤順之さん:「被災自治体でしかその現実は伝えられないと思うので、そういった部分を強く発信していけるといいのかなと考えています」

【11年前に双葉町へ移住したイギリス人のアンソニー・バラードさん】

町の中学校で英語を教える傍ら震災前から町民や町の風景をカメラに収めてきた。

震災後はいわき市で避難生活を送りながら新たに始まった海外向けの動画に出演するなど町の復興を応援している。

アンソニー・バラードさん:「外国人の中には、双葉町はチェルノブイリのように、二度と誰も住めない場所だと思う人もいるだろうし、何も問題無いと思う人もいるだろう」

世界に動画を配信することが町の現状とそれに懐疑的な海外の認識とのギャップを埋めるきっかけになればと期待を寄せている。

アンソニー・バラードさん:「今もさまざまな復興に関する活動が続いていて、多くの新しいビルや道路が除染区域に再建されている。だからこの動画を見た多くの人は、復興が進んでいることに驚くと思う」

3年後、避難指示の一部を解除し住民の帰還を目指す双葉町。

交通機関や公共施設の整備は急ピッチで進められている。

アンソニー・バラードさん:「双葉町に住んでいてとても幸せだったし、双葉町のような場所に住みつづけるつもりです」

”一歩ずつ復興に向かう双葉町の姿を町民と世界の人々に届けたい”

原発事故からの復興を目指す被災地の新たな挑戦は、始まったばかり。