暗闇の“神秘” 国宝・仁科神明宮で「式年遷宮祭」 20年に1度の修理と遷座 長野・大町市

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長野県大町市の国宝・仁科神明宮で「式年遷宮祭」が行われました。20年に一度の「遷座」など祭りのハイライトを目にしようと多くの人が訪れました。

国宝・仁科神明宮。今月15日、社殿の修理が終わったことを祝う「竣工祭」が行われました。20年に一度、行われる一連の「式年遷宮祭」の始まりです。今年は神社にとって特別な1年でした。

境内に響く槌音。社殿を直す「式年造営」は、去年の暮れから始まりました。

仁科神明宮が建てられたのは、平安時代の中頃。伊勢神宮と同じように20年ごとに建て替えや修理が行われてきました。柱の補修では、根元に伊勢神宮で使われた木を再利用する「根継ぎ」という伝統工法が用いられました。夏には、屋根の葺き替えが行われました。ヒノキの皮を並べる伝統の「檜皮葺」です。こうして1年近くかけて修理と祭りの準備が進められてきました。

夜、修理を終えた社殿はライトアップされ、厳かな雰囲気に包まれました。

竣工祭の次は、「遷座祭」。修理の間、「仮殿」に移されていたご神体を本殿に戻す遷宮祭のハイライトです。午前0時、神職や氏子が仮殿からまず宝物を本殿に運びます。

そして、明かりが全て消され、暗闇の中、ご神体が進みます。人目に触れないようご神体は白い布で覆われ、無事、本殿へ安置されました。

訪れた人:

「厳かな儀式で、心が洗われたよう」

訪れた人:

「冷たい空気も含めて神聖なものに感じた。20年後もまた見に来られたら」

仁科神明宮氏子総代会・鈴木久義副会長:

「初日(遷座祭)が無事に終えられたことはよかった。神様も喜んでおられると思う。きれいになって」

一夜明け、遷座を祝う「奉祝祭」が始まりました。神前に「舞」を奉納します。

参拝客に人気だったのが、記念の「ご朱印」。「20年に一度」しか手に入らないということで、一時は、2時間待ちとなりました。

手に入れた人:

「ありがたい気持ちに」

「神秘的でいいですね」

夜には、世界的なシンセサイザー奏者・喜多郎さんのコンサートが行われ、境内は一層、神秘的な雰囲気に包まれました。

一方、次の20年後に向けて課題となるのが費用負担です。今回の総事業費は、およそ1億3000万円。20年前、150軒近くあった氏子は、今回128軒まで減り、負担が重くなっています。今後は、氏子以外からの支援も積極的に受け入れることにしています。

仁科神明宮氏子総代会・鈴木久義副会長:

「(式年遷宮祭を)広く皆さまに、知っていただいたことはよかった。20年後もこのようなこと(支援も受けて)続けていけたら幸い」

600年以上、途切れることなく続いてきた式年遷宮祭。時代にあった対応を模索しながら、この先も受け継がれていきます。