EU輸入規制を一部緩和 宮城からの輸出どうなる? 輸出へ広がる可能性 一方“高い壁”も…

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EU=ヨーロッパ連合は、福島第一原発の事故のあとから続けていた、日本の食品に対する輸入規制を11月14日、一部緩和しました。これにより宮城の水産物もEUへの輸出の道が広がりましたが、専門家は「まだ高いハードルがある」と指摘します。

福島第一原発の事故を受け、その後も続いていたEUの日本の食品に対する輸入規制。

今回、宮城の水産物などが対象から外されましたが、専門家は「すぐに輸出は増えない」と分析します。

ジェトロ仙台 伊藤亮一 所長

Q.なぜ輸出が増えない?

「大きく分けて2つ理由があります。1つはEU側の輸入規制が緩和されたと言っても、日本からEUに輸出するための規格をクリアしなくてはなりません。宮城県の水産業者にはこの規格、『EUハサップ』をクリアしているところは1つもない。ですからこれをクリアしない限りはEU向けの輸出は実現しません」

海外とのビジネスの支援にあたるジェトロ仙台の伊藤所長によりますと、宮城県からは、これまでEUへの水産物の輸出実績はほとんどありません。

また、ハサップという衛生管理の手法について、EUは基準が厳しく、アジア向けの輸出が順調な今、多額の費用をかけてまで対応する動きはないといいます。

ジェトロ仙台 伊藤亮一 所長

「ハサップというのはアメリカとEUと2つあるのですが、アメリカハサップに比べると、EUは非常にハードルが高いと言われています」

こうした中、水産物以外の分野ではEUに対する関心が高まっているのも事実です。

今年2月にEPA=経済連携協定が発効し、関税が削減・撤廃されたこともその理由の一つです。

大崎市の酒造会社は、地元のコメと水で作った日本酒の輸出を検討しています。

寒梅酒造 岩崎真奈さん

「EU・ヨーロッパにはまだ卸したことがないんです。なので、すごく今お話させていただいた中で、ぜひ挑戦してみたいという思いは強く思っています」

気仙沼市の水産加工業者は、日本のつまみや珍味のEUへの輸出の可能性を探っていました。

八葉水産 清水勝之 常務

「いろいろハサップの基準とかレギュレーションも高いですけども、EUはやはり大切なマーケットというか、お互いに価値観を共有できるマーケットになるのでは」

今後、人口の減少が進む日本に対し、5億人余りが暮らす世界最大級の経済圏、EU。

ジェトロ仙台の伊藤所長は、EUでの成功が世界での成功につながるとして、宮城県からの輸出の増加に期待を寄せています。

ジェトロ仙台 伊藤亮一 所長

「EUで成功するということはEUのみならず、アジアを始めとした世界で認められるということになりますので、アジア向け、あるいは世界向けの輸出拡大にもつながると期待できる」