和風の設計 日本になじむ“開かれたモスク” 「見学も歓迎」の理由は・・・ 静岡市  

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静岡市駿河区、用宗。港のすぐそばに9月末「静岡マスジド」が完成しました。「マスジド」は、アラビア語で「モスク」。静岡県内では3つ目のモスクです。

 「私はモハメッド・ノーマンです。スリランカから来ました」

中を案内してくれるのは、日本に住んで14年のノーマンさんです。

河村悦代記者  「入っても大丈夫なんですか?」

ノーマンさん  「何の制限もなく、基本的にだれでも自由に出入り可能なんですが、入る時は男性の場合はズボン、長めのズボンを履きます」

女性も肌が出ない服を着て、スカーフで髪を隠すのが礼儀です。

静岡ムスリム協会 アサディみわ事務局長 

「首の周りにさっとまくだけです。もしご希望でしたら、かぶる時もお手伝いできるので、マスジドに服もスカーフも用意しているので、お持ちでない方でも気軽に来て大丈夫です」

静岡マスジドは、希望があれば中の見学を受け付けています。

入ってすぐが礼拝室ですが、まずお祈りに来た人が向かうのは、こちらの部屋です。

ノーマンさん 「口をまずきれいに洗います。イスラムの男性はヒゲがあるので、ここまで全部顔を洗います」

お祈り前には頭から足まで清めるのが、イスラムの手順。男性は男性用の部屋が、女性は女性用の部屋があります。体を清めたあとは礼拝室へ。

河村記者 「すごい広いですね」

ノーマンさん 「そちらにあるドームみたいなところにお祈りを仕切る人が立ってお祈りをして、それ以外の信者はここのスペースでお祈りをします」

実はこの建物、もとは工場の倉庫でした。その広さをいかして、最大160人が入るモスクに改装。

ノーマンさん 「イスラムのお祈りはメッカの方向を向いてお祈りをするんですけど、この線がそれを示しています」

河村記者 「線に合わせて立てばメッカの方向を向くんですね」

お祈りの時間は1日5回あります。ノーマンさんたちにとって悲願のモスク。しかし、最初から順調だったわけではありません。

港と住宅街が広がる広野・用宗地区。地域からはモスクができることに、不安の声があがりました。

ノーマンさん 「日本人からすると、こういうモスクを見ると外国人だけの集まりという感じがするんですけど、中でなにをやっているか開放的に見せて、私たちもみんな一緒ですよと言うのをアクションで表現するしかないと思っています」

地域に受け入れられる、開かれたモスクに・・・

そこで、日本になじむよう“和”を取り入れた設計を依頼しました。モスクを設計した南條充さんです。

信者 「すごい素敵だなと思って、ありがとうございました」

建築士 南條さん 「日本らしさは感じますか?」

信者 「感じます」

ノーマンさん 「こういう狭いスペースをうまくデザインを入れて、電球とか配置されていて日本らしさを感じます」

「日本らしさ」はどんなところにあるのでしょうか?例えば天井の照明は、葉をかたどって作りました。

建築士 南條さん 「こういう葉っぱも和紙で、水に浮いているイメージをデザインしました」

また壁には枯山水の庭園に描かれる「砂紋」をイメージした模様が浮かび上がります。外観にも梅の花や、よく見ると富士山が隠れています。

建築士 南條さん 「モスクと言うとアラジンみたいなイメージを持っていたんですけど、日本っぽい日本らしいモスクを作ってくださいということだったので」

10月10日、関係者を招いたお披露目会が開かれました。

見学者 「子供は何歳から一緒にこういう所で礼拝をされますか」

静岡ムスリム協会 アサディみわ事務局長 「早ければ2歳ぐらいでも親のまねをして、礼拝のまねっこをする子もいます」

初めてモスクに入る人たちのどんな疑問にも答えました。

見学者「清潔感があって質素で落ち着いて、とてもいい感じ」

別の見学者 「ある曜日とか時間にワーッと押し寄せて、このへんがそういう人であふれかえるんじゃないかという異文化に対する恐怖があったと思います最初は。細かい部分でも共存していけるんじゃないかという工夫がされているので、安心しました」

まだ地域の不安の声が完全に消えたわけではありません。扉を開き続けることで分かり合える日が来ると、ノーマンさんたち静岡マスジドのメンバーは信じています。