最高裁判決は「差し戻し」 諫早湾開門訴訟ねじれ解消ならず

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排水門の開放をめぐり長年争われた諫早湾の法廷闘争が最終局面を迎えましたが、開門するのか、しないのか、結論は先送りとなりました。

諫早湾干拓の潮受堤防の開門を命じた確定判決の“無効化”をめぐり争われている裁判の上告審が開かれ、最高裁判所は福岡高裁に差し戻し、審理をやり直す判断を下しました。

注目の判決を前に最高裁の前には多くの開門派の漁業者や支援者が集まりました。

佐賀県の漁業者 平方 宣清 さん 「多くの生き物が死にました国も認めない、裁判所も認めないということになったら、本当に私たちの訴えるところはどこにあるのか」

1997年、「ギロチン」と呼ばれた全長約7キロの堤防で閉め切り大規模な農地をつくった諫早湾干拓事業。

しかし、その後漁業者が漁業不振を理由に開門を求めた一方、農業者は、農地に塩害などの恐れがあるとして開門に反対して裁判を起こし、「開門」と「開門を禁じる」相反する2つの司法判断が出され法廷闘争は長期化しています。

13日、最高裁で開かれた裁判は2010年に開門を命じた福岡高裁の確定判決に従わない国が開門を強制しないよう求めた「請求異議訴訟」の上告審です。

ことし7月、最高裁は口頭弁論を開き、開門派と国側それぞれの主張を聞いていて、13日、最高裁の第2小法廷は福岡高裁に差し戻して審理をやり直す判決を下しました。

開門派 馬奈木 昭雄 弁護団長 「かろうじて司法の信頼が保たれたと評価している」「10年で(漁業権の)権利が消滅することはない。開門の権利はあると判決は明言している」

漁業者 島原市 中田 猶喜 さん 「がっかりして帰らなくていいからともかく、きょうは良かった。ここでその方向性を示してほしかった。有明海の再生のためにはどういう方法がとれるのかを」

報告集会には2010年に福岡高裁で「開門」の判決が確定した当時の総理大臣菅直人さんも駆けつけました。

開門派を支援する 菅 直人 元首相 「ある意味、当然の判決ではないかと感じている」

一方、「開門」しないよう求めていた農業者は。

営農者 干拓地で農業 笹田 栄一 さん 「私達が入るときに開門しないということで入っていますんでそれがまたずっと何年になるか、はっきり決めてほしい。もちろん開門しないということ私達は願っているしそう思っている」