朝倉市の仮設住宅 40戸が入居期限迎える “コミュニティー再生”に不安の声 北部豪雨から2年 福岡県

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九州北部豪雨から2年。

福岡県朝倉市や東峰村ではこの夏から順次、仮設住宅の入居期限を迎えています。

朝倉市・杷木地区の仮設住宅でも16日が期限でしたが、住人にはまだ課題が残っているようです。

朝倉市杷木の仮設住宅です。

大きな被害を出した九州北部豪雨から2年が経ち、この林田団地のうち40戸が16日、入居期限を迎えました。

【林田団地 管理長 伊藤 正彦さん】

「もうほとんど、ここで何軒やろうか、僕らが(引越し作業に)携わってないのは」

2年間、同じ団地で助け合いながら生活してきた住人同士、最後の引越し作業も協力して行います。

16日最後の荷物を運び出すひとり、辻正拡さん(38)です。

自宅があった集落は、崖崩れなどで危険な状態が続いているため戻ることができず、林田団地からほど近い市営住宅へと引っ越すことになりました。

【辻 正拡さん】

「体重かけるなよ!揺さぶるなよー!」

仲の良かった団地の住人。

16日からそれぞれの生活になります。

辻さんたちは県に対し、仮設住宅の入居期限延長を求めてきましたが、県はそれを認めていません。

県は、被災者の殆どが住宅再建の目処がついているとしています。

しかし、自宅などに戻れず仮住まいせざるを得ない被災者は、146世帯にも上ります。

【辻 正拡さん】

「さみしいね、2年間ずっと一緒にいた部屋だから」

辻さんの新しい家は6畳2間で、家賃は月5200円。

これまで仮設住宅では家賃がかかりませんでしたが、月10万円程度の収入で生活する辻さんにとって、出せるのはこれが精一杯だと言います。

【辻 正拡さん】

「本当は災害公営住宅に入りたかったけど、家賃が払いきらんもん。

 (家賃)2万、払いきらん、とても俺の生活じゃ」

金銭面の不安に加え、さらに被災者に立ちはだかるのは「コミュニティーの再生」という課題です。

これまで近くにいた住人と離れ、新たな場所で新たな人たちと交流を持つことに、特に高齢の被災者からは不安の声が上がります。

【引き渡しに来た被災者】

「ここにいたら、たいがいの人が散歩したり、いろいろ声かけ合ったりできたけど、また新しく(交友関係を)作らないかん」

豪雨から2年。

次々に課題と向き合わねばならない被災者たち。

答えを見つける余裕もないまま、仮設住宅の入居期限はやってきます。