防衛省誤データに加え居眠りも…住民怒り怒号飛び交う 秋田

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 地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を巡る秋田市の陸上自衛隊新屋演習場の一連の調査の際、防衛省が誤ったデータを使用した問題で、地元の不信感が募っている。

8日、新屋地区で開かれた住民説明会は防衛省の姿勢に批判が相次ぎ紛糾した。

 防衛省は新屋演習場の一連の適地調査の結果をまとめ5月27日秋田県と秋田市に提示した。

 その際、代替地の検討結果が示されたが、検討地点から山を見上げた際の角度を示すデータに誤りがあったことが後になって分かった。

 なぜこのようなことが起きたのか…

 防衛省は「『グーグルアース』から山の断面図を切り取り定規と分度器を用いて測った。高さと距離の縮尺が1対1ではなかったために誤った数値が出てしまった」と説明した。

 防衛省のチェック体制のずさんさが指摘されているほか、調査そのものの信頼性を疑う声も上がり、安倍首相や岩屋防衛相が連日追及されている。

 誤ったデータを使用していたことが発覚し波紋が広がるなか開かれる住民説明会。住民からは怒りの表情が見て取れる。

 新屋勝平地区の16町内会などで組織する新屋勝平地区振興会の佐々木政志会長は、説明会に先立って東北防衛局の伊藤茂樹局長のもとに直行。そして「勝平地区は『新屋ありき』という疑問符が取れない。新屋ありきという方向で進んでいると住民は解釈している」と訴え、振興会の理事会決定として防衛省が順次実施するとしている町内会の個別説明会を受け入れないことを防衛省に口頭で申し入れた。

 そして始まった説明会は冒頭から紛糾し。

 開始のあいさつを遮り住民が「何がなんでも説明会を進めていくというやり方はこれまで防衛省が何回も口にしてきた『住民に寄り添って丁寧な説明をしていく』という精神に全く反することではないか」と語気を強める。

 住民から疑問の声が上がり続けたものの、防衛省は説明を強行。

住民は「言葉を選ばないで言うと私たち新屋に住んでいる人たちよりも時間・お金のほうが大切なんだなと判断せざるを得ない」と反発した。

 また防衛省が資料を説明した約1時間手を上げ続けた男性は「後ろの席の一番右の人。居眠りしてましたね。何を考えているんだ。我々の人生がかかっている」と職員の居眠りを指摘。声を荒らげた。

 そして「子供も暮らしている。万が一事故が起きたらどうするんだ。またミスしましたって言うのか。想定外でしたって言うのか。そんなこと認められない!」と迫った。

 これに対し防衛省は「データの誤りがあってもインフラなどの条件から新屋演習場以外は配備に適さない」と繰り返し、配備に理解を求めた。

 説明会終了後振興会の佐々木会長は「差し戻して原点に返って一から調査をやって欲しいと言っているがそれに対する回答が見えない。」と怒りをあらわにした。

 また参加者は「子どもが心配。なぜ新屋なのかと住宅密集地に配備する必要は全くない。その辺を無視して進めていくやり方が住民としては我慢がならない」と話した。

 東北防衛局の伊藤局長は「住民からは説明を強行したという言葉もあったかもしれないが…いま住民との間にどういう距離があるのかは何とも言えないが決して説明会で理解を得たとは思っていない」と説明会を振り返った。

 そして9日、一般の県民を対象に開かれた説明会はデータを誤ったこととはまた別の謝罪から始まった。東北防衛局の伊藤局長は「職員が居眠りしていたとのご指摘をいただいた。説明会という非常に重要な場においてこのような行為を行ったことについて本人も深く反省しており私からもお詫び申し上げる」と再び陳謝した。

 怒号が飛び交い、またもや紛糾した説明会には大学生の姿もあった。「秋田に置く理由がやっぱりわからない。どうして日本の中心に1基じゃだめなのか」と質問したが、納得いく答えは得られなかった。

 説明会終了後大学生の手元には防衛省に対する多くの疑問点が記されたメモがあり、「私の在学中にはまだ配備はされないが配備されるとなると秋田の大学に来ることをためらう後輩もいると思う。自分が来ることで何か発信できることがあるんじゃないかと思ったから参加した」と話した。

 住民説明会は10日まで続く。