防災に役立つ!アマチュア無線の可能性【長崎・諫早市】

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梅雨を前に大雨や地震に備えて防災機関の連携を図ろうと、各自治体で防災訓練が行われています。

こうした中災害時には通常の通信手段が使えないケースもあることを念頭に、アマチュア無線を積極的に活用する動きを取材しました。

5月12日、諫早市を流れる本明川の河川敷で諫早市の総合防災訓練が行われました。

行政や警察・消防・自衛隊など33の機関からおよそ900人が参加した大掛かりな訓練です。

訓練は大雨で本明川が氾濫する危険があるとして、避難勧告が出されてまもなく橘湾を震源とするM6.8の地震が発生したという想定で行われました。

被害は広い範囲で多岐にわたると予想されるため、住民の避難やポンプ車による排水、倒壊した家屋や車両から逃げ遅れた人を救出、消火など様々な訓練が次々と繰り広げられました。

その訓練会場の一角で・・・・

非常無線通信訓練にあたっていたのは日本アマチュア無線連盟長崎県支部や県赤十字無線奉仕団、諫早市役所アマチュア無線クラブなどのメンバー約10人です。

上空を旋回する小型機と無線交信し被害状況を収集します。

通信手段は大きく進化していますが、大規模な災害では携帯電話の回線が輻輳して通話ができなかったり、サーバーの処理の問題でメールが大幅に遅れる事態が生じます。

これに対してアマチュア無線は電源さえ確保できればネットワークに依存せず単独で通信でき、周波数帯も多くあります。

被災地の画像を無線で送ることもでき雲仙・普賢岳の噴火災害や、東日本大震災でもその有用性が再認識されました。

諫早市建設部次長・諫早市役所アマチュア無線クラブ 加藤 成昭 会長「諫早市役所のアマチュア無線クラブとして、普賢岳の火砕流の直後に島原市に入りました。消防車とか救急車のサイレンがどんどん出て行く音を聞きながら情報収集を数日間させていただきましたので、その緊張感、緊迫感は高かったですね」

政府は災害発生時の通信手段の確保の為、アマチュア無線の活用体制を整備しておくよう防災基本計画に記載していて、諫早市は市役所と全ての支所・出張所あわせて16ヵ所に無線局を設置しています。

宮本明雄 市長「最後に頼りになるのはアマチュア無線かなと。当然、防災行政無線なんかいろんなシステムは完備しているんですけど、それがかなわなくなった時に本当に活躍すると思ってます」

そして職員に資格の取得を勧めていて4月1日現在で174人がアマチュア無線の資格を持っています。

宮本市長「職員も100名近くはアマチュア無線の資格を持ってますし100人超えてます。あ、私もそうなんですけど」

諫早市建設部次長 諫早市役所アマチュア無線クラブ 加藤 成昭 会長「過去の先輩方がずっとつないで我々までつないでいただいたので、通信手段を今後も絶やさないよう守っていきたい」

防災訓練のこの日いくつかのコーナーを回って熱心に質問する聴覚障害者の姿がありました。

県赤十字無線奉仕団諫早分団 高岡 富士雄 団長「一度山で遭難しかかったと、何時間も通信方法がなくて。音声通話以外で文字情報で何か情報のやりとりができないかというご相談でした。(アマチュア無線は)耳が聞こえなくても文字でやりとり可能」

また被災地に駆けつけなくても、自宅から被災地に向けてコールサインを出し続ければ孤立した地域からのSOSを防災機関に伝えることもできます。

趣味として通信を楽しみながら、万一の場合には日頃のネットワークを生かして情報を収集し避難や、避難生活に役立つ情報を提供する、今、改めてアマチュア無線が静かに注目されています。