「被害者への補償優先では?」平岸アパマン爆発5か月 現役関係者が明かした"闇" 北海道

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 今回のテーマは「アパマン爆発事故から5か月 現役関係者が激白! その後何が?」です。

 あの事故から5か月が過ぎました。今回、アパマンショップフランチャイズ店の関係者が、UHBの取材に応じました。証言などから見えてきた不動産業界の"闇"とは。

 2018年12月16日夜、札幌市豊平区の地下鉄平岸駅近くのアパマンショップ平岸駅前店が吹き飛びました。建物2階の居酒屋も火災で燃え、付近マンションの窓ガラスも割れ、被害が広がりました。

 原因はなんと未使用の消臭スプレー缶約120本を一気に噴霧、アパマンショップのスタッフがボイラーのスイッチを入れたところ、引火して爆発しました。

 これによる被害は負傷者が52人、建物は46棟、被害を受けた車両が32台。平岸駅のすぐそばで、周辺にはお店が多いエリア。発生当時は中央区まで爆発音が響きました。

 ◆爆発事故の背景には"過当競争"?

 この事故からは、不動産業界の闇が見えてきました。不動産業界の過当競争が裏にはあるのではといわれています。

 仲介料を安くする、敷金・礼金をなしにするなどの競争が激化しています。物件を選ぶに当たり、何を基準に判断しようかとなると、やはり値段になると思います。そこで値引き合戦がありました。その売り上げの不足分を補う形で、消臭スプレーのオプション販売が使われたとみられています。

 当時社長は「ノルマが無かった」と話していましたが、元従業員の証言によりますと「ノルマはあった」ということです。

 ただ、スプレー缶を用意したところで、人手不足に。消臭作業が実施できないでスプレー缶が残ってしまったということになり、その結果…一気に処分をしたことで、爆発事故につながりました。

 消臭作業未実施の件数ですが、平岸駅前店の物件で127件、他の店舗で91件が未実施。平岸駅前店の物件では全体の約6割が未実施でした。少なくとも全体で218件で消臭作業は未実施。つまり、お金をだまし取っていたということになります。

 ◆関係者激白 事故後、何があった?

 事故の後、不動産業界に何があったのか、アパマンショップフランチャイズ店の現役関係者がUHBのインタビューに応じました。

 スプレー缶の売り上げは、仲介料の値引きを補うための、大きな収入源でした。この店では、1件当たり5000円から1万円の料金でした。スプレー缶の原価は、1缶あたり約1000円。

 具体的な金額ですが、年間で150万円から200万円程がスプレー缶によってもたらされていました。

 事故の後はこのスプレー缶の売り上げがゼロに。アパマンショップで契約したくないという人が増えた影響か、全体の売り上げが2割減りました。

 ◆アパマンショップ本部の対応は?

 アパマン側はフランチャイズ店に今年3月、経営支援金を補助しました。 札幌市のお店に50万円、札幌市外のお店には30万円支払われました。

 これに関して現役関係者は「焼け石に水。そもそも被害者への補償が先ではないか?」と話していました。

 また、事故後はこんなことも。契約者が不信感からか「清掃作業は、動画を撮影して報告してほしい」とと要望するケースもありました。

 これに対しフランチャイズ店の関係者は「"見えないサービスの可視化"が必要になって来るのではないか」と話しています。事故から5か月。不動産業界全体を見直すきっかけにもなったのかもしれません。

 被害者への補償も、まだまだ進んでいません。爆発事故がもたらしたものは、あまりにも大きいようです。

 (2019年5月16日放送 UHB「みんテレ」内「ほぼ日刊八木タイムス」より)