涙の"惜敗"…釧路アイホチーム クレインズ 上野主将「素晴らしいチームということ 伝えられた」

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 3月末で廃部となる北海道釧路市のアイスホッケーチーム・日本製紙クレインズ。

 14日、アジアナンバーワンの座をかけてサハリンでの試合に臨みましたが惜しくも敗れました。

 崖っぷちで決戦に臨んだクレインズのキャプテンに密着しました。

 稚内から50キロほど北にある、ロシアのユジノサハリンスク。

 負ければ終わり。決戦前夜、キャプテン上野はUHBのカメラの前で率直な思いを語りました。

 上野拓紀主将:「(Q.緊張や怖さはない?)もちろん明日負ければ終わってしまうという怖さもあります…。ただ、やってやるぞという気持ちの方が強いので明日は思いっきりプレーしたい」

 このチームで最後まで戦い抜きたい…悲壮な思いを胸に男たちはリンクに立ちました。

 地元・サハリンのファンで埋め尽くされた会場。

 厳しいアウェーの中、試合が始まりました。

 サハリンがシュートまで持ち込むピンチが続きますが、集中した守りで耐えしのぎます。

 会場では北海道などから現地入りしたファンの姿もー。

 横浜から来たファン:「クレインズが優勝するのを見るために来ました」

 クレインズの地元・釧路でもパブリックビューイングが開かれ、100人を超える大勢のファンたちがチームに声援を送りました。

 緊張が続く展開を打ち破ったのはクレインズの若手でした。

 第2ピリオド15分、DF加藤が値千金の先制弾!

 勢いに乗るクレインズ。その4分後には、DF梁取からのアシストを受けたFW中島の見事なゴール!

 さらに第3ピリオド開始早々、この日誕生日のFW重野が、試合前の宣言通り、バースデーゴールを決めて突き放します。

 3点もリードしこのままいけるかと思われた、その時…会場に鳴り響く地元ファンの声援を受け、強豪が牙をむきます。

 直後に1点を返され、第3ピリオド11分にもゴールを決められ1点差まで詰め寄られます。

 試合終了まで残り1分、これをしのげば道がつながるクレインズ。

 サハリンはGKを下げて必死の全員攻撃。残り56秒でした。とうとう同点に追いつかれます。

 試合はサドンデス方式の延長戦に突入…3連続でゴールを入れたサハリンが攻め込みますが、クレインズも意地を見せ得点を許しません。

 しかし…第4ピリオド19分でした。サハリンのFWザトセピリンがまさかの決勝ゴール。

 クレインズの優勝への戦いが終わりました…。

 地元・釧路では…。

 重野選手の父:「選手にはご苦労様、感動したよという言葉しかない」

 クレインズ存続を願う会 寺山博道代表:「釧路の誇り、誇りを持った戦いをしてくれたのでよく頑張ったと迎えたい」

 突然の廃部発表から約3か月…。

 苦しさを心に押し込みながら、それでも勝ち上がり続けた選手たちはー

 梁取慎也選手:「こういう風な結果になってすごく残念ですけれど、僕にとってかけがえのない時間でした」

 重野駿佑副主将:「夜一人で考えている時とかは不安で苦しい思いがあったんですけど…その中でもみんなで戦えたことがすごく誇りに思えます」

 キャプテン・上野は涙ながらに廃部となる悔しさを訴えました。

 上野拓紀主将:「こんなに素晴らしいチームがなくなってしまって本当に良いのかなって…。でも自分では何もできないという悔しさもありますし、釧路市民や北海道、日本中の方にクレインズは素晴らしいチームだということを伝えられたと思います」

 気になるクレインズの今後ですが、18日(月)に帰国、釧路に戻ります。24日(日)には東京で「メモリアルマッチ」日本製紙クレインズ対王子イーグルスの試合が行われ、31日(日)には地元・釧路で「ファン感謝デー」が開かれる予定です。

 チームの今後については、複数の企業などから打診があるということで話し合いが進められているものと思われます。

 まずは運営会社・運営方式をどうするか、こうしたことが決まれば、それぞれのスポンサーもいくら費用を出したら良いか分かるため具体的な次のステップに進みやすくなるはずです。来シーズンも、いまのチームで戦う姿をぜひ見たいですね。