アズマヒキガエル 石狩川の増殖問題に新事実 今年札幌市でも繁殖か? 目撃情報多数 北海道

北海道文化放送 カテゴリ:地域

 UHBの番組で2017年から放送している北海道石狩川流域での国内外来種「アズマヒキガエル」の増殖問題。新たな事実が判明しました。

 北海道に元々いるエゾアカガエル。そのオタマジャクシがヒキガエルの幼体を食べると、100%の確率で毒で死ぬというんです。

 さらに、これまでいなかった札幌市で、増殖が始まっている可能性が出てきました。

 アズマヒキガエル。本州が原産で本来、北海道にいてはならない国内外来種です。皮膚には毒があり、ヒトの口に入ると、嘔吐や下痢を引き起こすとも言われています。

 このアズマヒキガエルについて、北海道大学が驚きの研究結果を発表しました。そのタイトルは「本州から来たヒキガエルが、北海道の両生類を殺す」。

 北海道大学 岸田治准教授:「水槽実験ではあるが、アズマヒキガエルの卵が孵化した時、在来種の幼生がそれを食べてしまい、毒を受けて死ぬ事がわかりました」

 1980年代に何者かが旭川市周辺に持ち込んだとされるアズマヒキガエルは、石狩川流域で大繁殖し、いまや石狩市にまで生息域を拡大しています。

 深川市の音江地区では7年前から大発生。去年、住民などにより、大規模な駆除が行われました。

 「うわ…なにこれ!」

 1か月あまりで約7500匹を捕獲。しかし、駆除が行われているのは一部の地域だけです。

 産卵数は北海道原産のカエルの約8倍。1匹で8000個も産み、繁殖に歯止めが効きません。

 「アズマヒキガエルの成体です。旭川で捕えた個体です」

 こちらは、北大の研究室内で行われた、実験の映像です。北海道の在来種エゾアカガエルのオタマジャクシが、卵から出たばかりのアズマヒキガエルの幼体を餌にしています。

 食べ終えると、アカガエルの幼体が震えだしました。そして、体を横にして泳ぐようになり、最後には死んでしまいます。底に見える黒い物…。それは全てアカガエルの死骸なのです。

 北海道大学 岸田治准教授:「エゾアカガエルは100%死ぬ。毒によって死んだオタマジャクシを、他のアカガエルが食べてしまうと、連鎖的に死んでしまう。これが野外でものすごいインパクトとして、在来種の個体数を減らす可能性は考えられる」

 致死率100%。さらに、危惧すべき問題が! 今までアズマヒキガエルがいないとされていた、札幌市南区の北の沢地区。去年の夏ごろから専門家の徳田龍弘さんのもとに、十数件の目撃報告が寄せられるようになりました。

 北海道爬虫両棲類研究会 徳田龍弘副会長:「今は冬で凍っているが、エゾサンショウウオやエゾアカガエルが非常に好む環境です。そこがヒキガエルの産卵場所にならないか心配」

 大繁殖している石狩川流域からは、かなり離れたこの場所に、一体どうやって来たのでしょうか?

 北海道爬虫両棲類研究会 徳田龍弘副会長:「人によって運ばれた可能性が高いと思います。北の沢川からすぐ下流で豊平川に合流。下流に生息域が広がる可能性がありますね」

 豊平川に広がれば将来、札幌市の中心部でも繁殖の可能性があります。徳田さんは春の産卵期が始まる前に市や道に呼びかけて調査活動を始めたいと考えています。