不安を抱える子どもたちへ 求められる心のケア 熊本市制作の絵本を紹介 「やっぱりおうちがいいな」

北海道文化放送 カテゴリ:地域

 地震発生から1週間が過ぎ、学校も再開するなど子供たちの生活も少しずつ日常に戻りつつあります。しかし余震の緊張が続く中、子供の心と体には、ストレスや不安で変化が現れてきています。

 震災後、大人は不安を抱える子供にどのように接し、心のケアを行っていけば良いのでしょうか?

 北海道安平町・早来小学校。避難所の体育館で元気に遊ぶ子供たちー。

 近藤凪紗さん、5年生。避難生活を送りながら、母親と自宅の片づけに帰ります。

 凪紗さんの家はレンガ色の可愛い一軒家。

 「(亀裂が)思ったよりいってますよね…土台大丈夫かな…」

 さらに家に入ると、剥がれた壁紙、亀裂…。地震発生時の記憶が蘇ってきます。母親は、凪紗さんの「心の変化」を感じていました。

 近藤凪紗さんの母親:「片づけをしているんですけど、なかなか進まないね」「余震来たら片づけながらワーッて抱きついてきて」

 住み慣れた家で、いつの間にか、凪紗さんの笑顔は消えていました。

 近藤凪紗さん(10):「余震あって物が倒れてきたり。ちょっと怖いです。避難所の方が落ち着いて、夜になってくると怖くて、早く避難所に行きたい感じ」

 震災後、子供たちの心に何が起きているのでしょうか?

 松本裕子キャスター:「こちらの精神科には、地震の後、不安定になった子供たちについて相談したいという保護者がやってくると言います」

 北海道医療センター精神科 上村恵一医師:「夜、余震が怖いので眠れない。お母さんにべったりになってしまって、学校に行きたがらない。小さい子の方が「言葉に言えない不安」っていうのはあるし、大きい子はですね「言葉に出すのを遠慮しちゃう」方の不安」

 普通と全く違う行動を取ってしまう子供たちに大人はどう接していけば良いのでしょうか?

 「震災の後っていうのは子供たちが「赤ちゃん返り」を普通にするんですよね。むしろ親御さんの方から積極的にスキンシップを取ってあげて、不安を抱かせない様にゆっくり寄り添ってあげる」

 「(震災の)ニュースでは、少し難しい言葉、特にテロップも漢字だったりするので、親御さんができるだけひらがなの言葉を使って、お子さんに分かりやすい言葉で言い直してあげる」

 「お父さんお母さんが、普段と違うことを話題にしたり普段と違う緊張感で話してると、"自分は遊んだらダメなんじゃないか"とか、むしろ普段通りにやっていいんだよということを勧めてあげる」

 そんな被災地の子供たちに向けた絵本があります。タイトルは「やっぱりおうちがいいな」。2016年、最大震度7の大地震を経験した熊本市で作られたものです。

 「地球さんが風邪をひいたよ!はっくしゅん」「わあー地震だ!あきらくんは、おねえちゃんのくみちゃんに、おとうさん、おかあさんといっしょに、そとににげました」

 熊本市子供発達支援センター 松葉佐正さん:「Qなぜこのような絵本を?地震の後に、恐怖で家に入ることができなくなった子供たちがいるという相談でした。玄関までしか入れないとか、夜になるとパニックになるというのもありまして」

 男の子は、家に戻り1つ1つ「こわい」と思うものを解消することで、心が安定していきます。

 「お母さんは、またじしんがおきたら、ここにかくれてね。みんなでにげるからだいじょうぶだよとぎゅっとだきしめてくれました」

 熊本市子供発達支援センター 松葉佐正さん:「気持ちに折り合いをつける時間がかかりますので、焦らずにまわりの大人が大丈夫だとどんと構えて、近くにいることが大事だという風に考えております」

 「ときどき、ちきゅうさんはくしゃみをしています。あきらくんはいいました」「ちきゅうさん、はやくよくなってね」

(絵本「やっぱりおうちがいいな」は、熊本市のホームページからダウンロードできます)