「18トリソミー」の女の子 愛に育まれ小学生に…

テレビ新広島 地域

以前、この番組で紹介した「18トリソミー」の女の子、植野えれなちゃんが、新たな一歩を踏み出しています。非常に重い障害のある18トリソミー。その家族の思いを取材しました。

【入学式】

「新入生が入場します。皆さま大きな拍手でお迎えください」

この日、入学式に臨んだのは、植野えれなちゃん。6歳。

【県立広島特別支援学校 佐伯昌史校長】

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。小学部1年生の皆さん、いよいよ学校生活が始まります」

この春、新たな門出を迎えました。

【父親の植野雅晴さん】

「よくがんばりました。母ちゃんがちゃんと写真撮っていたよ。父ちゃんはビデオまわしたけぇね」

えれなちゃん。ピカピカの1年生です。

【父親の植野雅晴さん】

「率直に感無量というか胸いっぱいですね。この子が産まれた時には、きょうという日が迎えられるとは正直想像もしていなかったので」

【母親の真理さん】

「お腹の中にいる時、生きて産まれるかも分からないというところから始まって、産まれても1歳生きられたら奇跡と言われるような子が、まさか6歳、小学生とは…」

生まれた時の体重は1930グラム。小さな赤ちゃんだったえれなちゃんは、『18トリソミー』です。4000人に1人といわれる『18トリソミー』は、18番目の染色体が1本多い先天性疾患で、運動や精神発達に大きな遅れが現れます。

【植野さん夫婦】

「えれな、がんばろうの。がんばってね」「大きくなってね」「がんばろうね」

その姿を焼き付けようと、夫婦は1日、1日、えれなちゃんを撮影してきました。

産まれてから1ヵ月が過ぎたころでした。退院の話もでていた矢先、えれなちゃんに心不全が起き、手術をする必要に迫られたのです。

【父親の植野雅晴さん】

「あの時の体重が2000グラムもなかったので、こんな小さい子にメスを入れるというのが本当にいい選択なんだろうか、僕らが親のエゴというか、痛みを与えてむりくり延命させる。延命措置をすることが実は拷問になったりするんかな、すごく葛藤があって…」

夫婦が下したのは、手術をするという決断。

えれなちゃんの手術は成功し、産まれておよそ2ヵ月、ついに退院することができました。

えれなちゃんは、今も月に1回、手術を行った病院で定期健診をしています。

18トリソミーは、積極的な治療をしなければ9割が1歳までに亡くなると言われています。

【土谷総合病院小児科 田原昌博部長】

「歴史的な背景があって2000年より前までは(18トリソミーの)お子さんに対する手術を控える、積極的な治療は控える、そういった病院が多かったんですけど、2000年を超えて家族の要望があれば積極的な治療をしていくといった姿勢を見せる病院が増えてきた。

えれなちゃんは幸い心疾患以外のところで大きい病気を抱えていないので今のところ順調にいってる」週3日。

えれなちゃんの家を訪ねてくるのは担任の森本先生です。

【ON】「きょうのお勉強始まります。

(歌」」感染症にかかると命の危険があるえれなちゃんは、通学ではなく訪問学級を選択しました。

【ON】「上手になったね」チャイムを使ったり絵の具を使ったり1時間半の授業はあっという間に終わります。

入学して2ヵ月。

できることが増えたと森本先生は言います。

【県立広島特別支援学校 森本倫子先生】

「えれなちゃん、すごく色んなことに興味があるので、色んなものを見せてあげたいし、触って色んなことをさせてあげたい」

【父親の植野真理さん】

「授業自体もこんなにがんばるとは思ってなかったです。もう無理、すぐギャーと泣くと思ってました。がんばっとるよね。先生大好きだもんね」

この日、えれなちゃんは、学校にやってきました。

【先生】

「おはよう。きょう運動会じゃね。楽しみじゃね」「がんばろうね、きょう」

先生が次々と声をかけます。そして、体育館での運動会が始まりました。

えれなちゃんがこの日出場するのは、パイナップルを倒す競技です。

えれなちゃん、この日のために何度も練習してきました。

【父親の植野真理さん】

「めっちゃかわいかった」「かわいかったね。あっという間でした。成長してますね」

【母親の植野真理さん】

「かなりゆっくりではあるけど」

【父親の植野雅晴さん】

「言葉にならんですね。感動しましたし、うれしかったです」

小学生になった、えれなちゃん。またひとつ大きくなりました。