10時間の大手術にチームワークで挑む 口から食事ができない難病の小学生 静岡・県立こども病院

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8月、静岡市にある県立こども病院で10時間半に及ぶ大手術が行われました。

1人の小学生の人生が変わる手術になったのですが、その手術に密着取材する中で見えてきたのは小児外科医療という厳しい現場で奮闘する医師たちの熱い思いでした。

静岡県立こども病院。小児外科医療という厳しい現場で難病を抱える子供のため奮闘する医師たちがいます。

小児外科 漆原直人 科長

「我々が少し手を貸してあげることで非常に良くなってくれるということは、僕たちの醍醐味」

小児外科 野村明芳 医師

「子供たちとご家庭の未来を形作る手助けができる職業だと思う」

県立こども病院は1977年、全国6番目の小児専門病院として開院しました。

重大なケガや重い病気に苦しむ子供たちを救う国内屈指の拠点病院です。

荷物を持って現れた1人の小学生。

生まれつき食道が短く胃とつながっていない食道閉鎖症という病気で、食道と胃をつなぐ手術を行うことになりました。

「胸にあるはずの食道がないというイメージ。ここに食道が出ていますので食べ物が全部そのまま直接出てきてしまう」

漆原医師

「手術は11時間から12時間はかかるだろう。それより早く済めばラッキー。我々の目的はとにかく食事が皆と同じように食べられるようにしてあげること。せっかく大事なお子さんを我々に任せてくれたので頑張りたい」

これまでに少なくとも15回の手術を繰り返してきたという小学生。

主治医の野村医師も万全の準備を整え手術に臨みました。

手術開始。

「それ横隔膜?」「はい」

「切って連続して縫って、止血したほうがいい。とりあえず肺を剥離してくれ」

漆畑医師

「いま頸部の操作が終わって胸とお腹を開けてもらっている。いまのところ順調です。いま管の通る場所を作っている」

医師が交代しながら休むことなく続けられる手術。

時間が、あっという間に過ぎていきます。

途中から手術に加わった小児外科の山田豊医師

「傷口が大きいので4人。人手が多い方が傷を早く閉じられるので手術が早く終わります」

Q同時に縫う?

「そうです。首もお腹も一緒に縫った方が早く終わる。手術が早く終わった方が患者の負担も少ないので」

子供への負担を減らすことが最優先。

主治医以外の医師も加わりチームプレイで手術に臨むことも多いといいます。

そして午後10時。

10時間半に及んだ手術は無事成功に終わりました。

野村医師

「予定通り手術できてよかった。ここ数ヶ月くらいかなりナーバスになっていたので、終わっていい結果になることが嬉しい。とりあえずの手術じゃなくて、10年後とか20年後を見据えた手術を選択しました。1~2年の間よければということではなくて、大人になるまで問題なく生活できるようにプランニングができたと思う」

大手術を終え、医師たちは晴れ晴れとした表情です。

小児外科 矢本真也 医師

「疲れましたよ!腹減ったし」

Q食事は?

「食べてないです。朝ごはん食べてから」

子供たちの心に寄り添い子供たちの未来をつなぐため、小児外科医は闘い続けます。