首を激しく振って“ニジマス”はいらん!ハシビロコウの「ふたばちゃん」はグルメ!? 飼育員に聞いた

カテゴリ:暮らし

  • “動かない鳥”がワラを運んでる!と話題になった「ふたばちゃん」の新たな一面が激撮された
  • エサのニジマスを激しく拒否 …コイに変えるとパクリ
  • ニジマスよりコイが好きなのはなぜ? 飼育員に再び聞いてみた

“動かない鳥”として有名なハシビロコウ。

羽をたたんで直立し、鋭い眼差しでジッと前を見据える姿はハンターのようでありながら、愛情表現だといわれるお辞儀を飼育員に披露するギャップがたまらないと人気の大型の鳥類だ。

今年2月、静岡県にある花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク「掛川花鳥園」で飼育されているハシビロコウの「ふたばちゃん」が、器用にくちばしでワラを咥えて運ぶ様子を捉えた動画が話題になったことは記憶に新しい。
編集部でも取り上げた(「“動かない鳥”じゃなかったの!? 「ハシビロコウ」がワラを運んだ…何があったのか聞いてみた」)そのふたばちゃんが、再びキュートな姿を見せてくれた。

今度はお食事タイムでの出来事だというが、一体なにが起きたのか?さっそく動画をご覧いただきたい。

ニジマスはいらん!



ふたばちゃんの眼前にニジマスを掲げる飼育員

飼育員がエサの「ニジマス」を手に取り、ふたばちゃんの口元へ寄せる。
目の近くに持って行ったり、振ってみたりと興味を引こうとするも、ふたばちゃんはそれを静かに見つめているだけ。

さすがは動かない鳥…と感心していると、なんと首を左右に大きく振って「いらない」とばかりに拒否したではないか!

激しいNOのポーズ

その後も、目を伏せて首を振り続け、一向に口を開こうとしない。
ついには、飼育員さんを真正面から見つめ、無言で何かを訴え始める。ふたばちゃん、意思が強い!

ニジマスを視界に入れなくなってしまったふたばちゃん

ふたばちゃんの気持ちを汲んでか、飼育員さんが別のバケツから魚を取り出すと、そちらへ目線を向けたふたばちゃん。
差し出された魚に「待ってました!」と言わんばかりに勢いよく食いついた。その姿に、来園者たちから歓声が上がる。何度もくちばしで食んで、飲み込んだ魚は「コイ」だった。

コイを見た途端パクッ
満足げにモグモグ

「コイは好きなんですけどね~」と言う飼育員さんが、再びニジマスを差し出すと、ふたばちゃんはしばらくニジマスを見つめた後にくわえたが、すぐに離してしまった。

そして、「こっちじゃないんだ」という様子で、再びブンブンと首を振る。
動画内で見せたここまで4回の首振りを超える最も激しい動きで、ニジマスではなくコイが食べたいことを懸命にアピールしていた。

また食べられるの!?
えっ、これ…コイじゃない
ニジマスじゃなくてコイが食べたいんだー!!

この動画をツイッターに投稿した髙柳幸央(@willow11290626)さんは、「掛川花鳥園が年中無休なので、私も年中無休です」と毎日 同園を訪れ、ハクチョウやフラミンゴなども撮影している。

2016年にふたばちゃんが来てからはハシビロコウに興味を持つようになり、観察しているうちに「ごはん食べるの下手だわ、クラッタリング(くちばしをたたき合わせるように開閉して大きな音を出す、鳴き声が大きく出ない鳥のコミュニケーション方法)やお辞儀も可愛いな」と思うようになり、よく撮影しているそうだ。

今では、100%ではないものの羽を広げて飛ぶ前の挙動がわかるようになったとう髙柳さんだが、ニジマスを拒否する姿を見たのはこの日が初めてで、「鳥もイヤイヤするのね~」と見守っていたという。
実際に、昨年11月にふたばちゃんのお食事シーンを撮影した動画には、ニジマスを嫌がることなくおいしそうに食べる姿が映っていた。



ニジマスをおいしそうに食べるふたばちゃん(昨年11月撮影)

ニジマスが食べられないほど苦手というわけではない様子だが、では、なぜこの日のふたばちゃんはニジマスを拒否し続けたのだろうか?

好みが変わってしまったのか、それとも単にニジマスの気分ではなかったのか…気になる疑問を解決すべく、ふたばちゃんの飼育を担当する松本さんに話を伺った。

「ニジマスは食べ始めて日が浅い」

ーーふたばちゃんは普段どんな魚を食べている?

冬の寒い時期が最もよく食べていて、1日に10cmほどの大きさのコイ15匹に加えて、25cmくらいのニジマス2匹を完食していましたが、暖かい季節になって食欲が落ち着いてきました。
コイ15匹は変わらず食べています。


ーーニジマスを食べない姿は珍しい?

そんなに珍しくないですね。
お客さんに公開される食事の時間は10時と14時の2回なのですが、この日は午前中にコイをたくさん食べたので、お腹が満たされていたのだと思います。
こういう日は、あまり好きではないニジマスを食べるのがゆっくりだったり、動画のように拒否することがあります。


ーーなぜニジマスよりコイが好きなの?

ふたばは今年の7月で初公開から3年になるのですが、当初はコイだけを与えていて、ニジマスは初めて食べてからまだ1年ほどしか経っていません。
そのため、2種類のエサを比べると、食べ始めて日が浅いニジマスよりも慣れ親しんだコイの方が食いつきがよく、食べるスピードも速いです。
また、ニジマスの方が大きいので、食べづらいのかなとも想像しています。
「新しいごはん」であるニジマスは、初めのうちはなかなか食べてくれず、あれでもスイスイ食べてくれるようになった方なんです(笑)

「我、ニジマスではなくコイを所望す」

ーーコイの味が好みということはない?

その可能性もありますね。ニジマスは表面がザラザラとしていますが、コイはなめらかです。
噛んだ時の柔らかさも関係しているのかもしれませんが、本当のところはふたばに聞いてみないとわかりません(笑)
ーー何度もくちばしで噛んでから飲み込む、食べ方の理由は?ハシビロコウは、魚を頭の方から飲み込むという習性があります。
ふたばのあの行動は、差し出された魚をくちばしで咥え直して、頭の向きを整えているんです。ちなみに、ふたばちゃんの身体への負担を軽減するクッションの役割を期待して導入されたワラは今でもお気に入りで、取材した29日もワラが敷かれたケースの中に入って遊んでいたという。
しかし、大好きなワラでもコイと比べるとコイに軍配が上がるようで、「お腹が空いていると、ワラのケースの中にいても進んで出てきてくれます。常にあるワラよりも、1日2回のコイの方がレア度が高いのですかね」と食いしん坊な一面を教えてくれた。嫌々のポーズで、またしても可愛らしい一面を見せてくれたハシビロコウのふたばちゃん。GWの予定がまだ決まっていない人は、掛川花鳥園へ会いに行ってみるのもよいのでは?

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