【中国トンデモ事件簿】マラソン大会なのに途中で自転車に!? 相次ぐトラブルで永久追放処分も

カテゴリ:ワールド

  • マラソン選手がレース途中で自転車に乗る?!
  • 想像越えるトラブルが相次ぐ中国のマラソン大会
  • 背景にマラソンブームによる大会急増

え!? 選手が自転車に・・・

3月に江蘇省徐州市で行われた国際マラソン大会。ある女性選手が、自転車に乗ってコースを走っていた。主催者がやめるように説得したものの、その後も自転車で走り続け、5時間38分36秒で“完走”した。当然、問題になり、主催者は記録を取り消し、大会から永久追放処分とした。

なぜ自転車に乗ったのかは明らかになっていないが、中国メディアによると、女性は15~20キロ区間で自転車に乗って止められたものの、40キロ以降で再び乗ったという。最後の区間のラップタイムは、優勝者と11秒差の1キロ3分15秒のハイペースだった。

想定外すぎる行為に驚くが、選手が自転車に乗った例は、実はこれまでにもあった。上海のある大会では、女性参加者が「生理中だったため」途中で街にあるシェア自転車に乗り、ゴールまで走ったという。本人は、体調の問題で途中でレースをあきらめたが、止められなかったのでゴールまで自転車で走ったという。

止められたものの、再び自転車に乗り・・・(ウエイボより)

沿道の観客も驚くべき行為を・・・

実は徐州市のこの大会では、他にも驚く問題が起きていた。沿道にある選手の給水ポイントで、選手ではない大勢の市民が、置いてある水やバナナなどを勝手に取ってしまった。ボランティアスタッフが止めると、ある女性は「ほかの人が取ったのに、なぜ私が取ったらダメなのか。なぜ私だけ止めるのか!」と怒り、その映像がSNSに投稿された。

1月の福建省アモイ市の大会では、給水地点を管理する審判員が、選手用の水やフルーツやパン、紙コップを持ち去ってしまったという。当然足りなくなったため、別のボランティアスタッフが 自分で持ってきた食品を提供した。主催者はこの審判の資格を取り消した。

命にかかわる問題も・・トラブル相次ぐマラソン大会

選手がゴール!・・その前に先導バイクがゴール!(ウエイボより)

中国のマラソン大会では、去年から今年にかけ、トラブルが多発している。優勝争いのラストスパート中の選手に、沿道スタッフが無理やり国旗を渡し、それを落とした選手が愛国的でないと批判され話題になった。

その他、レースを先導するバイクが、トップ選手の前で、先にゴールテープを切ったり、コースを外れて“近道”する選手が集団で現れたり… さらには、1位でゴールした選手をその直後にスタッフが引き留めるケースも。急に止まれば命の危険があることから、当然、批判の嵐となった。無理やり引っ張ったのは、記念撮影のためでは?という指摘もあった。大会のたびに問題が報じられる印象だ。

背景には急増するマラソン大会

各地でマラソン大会があるが運営に問題が・・・ 

中国ではマラソンが大ブームだ。国家体育総局は、2018年に800人以上が参加する大会が1581か所(毎日平均4.3か所)で行われ、全国の参加者総数は583万人、285の都市が主催したと発表した。大都市も地方都市も、市民の健康増進に資するほか、街の名前を冠した大会は宣伝になり経済効果もある。

しかし一方で、運営の未熟さによる問題が多発している現状について、国家体育総局の幹部は、「マラソン文化が未発達で、ルールを守る意識も健全ではなく、監督する理念や方法を刷新しないといけない」と認めた。そして原因は、主催者の、規定を守らない身勝手な行動や、それを管理する中国陸上協会の問題への対応の甘さや遅さにあるとした。

一気にブームになれば、問題が起きることは仕方がないのかもしれない。しかし、様々な問題を見るにつけ、根底にあるのは、大会運営側の、決めたとおりにやろう、運営が成功しているように見せよう、(そして、失敗しないようにしよう)という運営ありき、の考え方だと感じる。大会を街のPRに使う、国旗を持たせて記念撮影し愛国心を盛り上げる、ということを優先するあまり、選手の頑張りをサポートし、良い試合を見てもらおう、という選手ファーストの発想が後回しになっているのだろう。国際マラソン大会と名乗る以上、世界の人が見ている。本気の改善がなされることを願うばかりだ。

【執筆:FNN上海支局 城戸隆宏】
【関連記事:「中国トンデモ事件簿」すべての記事を読む】

中国トンデモ事件簿の他の記事