自民党「韓国は目を覚ませ」「実害あれば対抗措置」 制裁論と戦略的無視論の狭間

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  • 新藤氏「韓国政府は“早く目を覚ませ”」
  • 自民党内からは対抗措置を政府に求める声相次ぐ
  • “実害がデッドライン”対抗措置を発動へ

新藤氏「韓国政府は『早く目を覚ませ』」

昨年の韓国議員による我が国固有の領土である竹島への不法上陸に始まり、竹島周辺での軍事演習、韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題、「元徴用工」裁判を受けての日本企業の資産差し押さえ、いわゆる従軍慰安婦問題を巡る文喜相国会議長の天皇陛下への謝罪要求発言など、韓国側の暴挙と言える行為の連続によって、日韓関係は史上最悪と言われる状況が続いている。

そして3月4日には、韓国国立海洋調査院が、竹島周辺の海域で海洋調査を行う委託入札公告をホームページに掲載した。これは「海上ドローン」と呼ばれる無人観測装置などを使って、海底の地形や潮流、水温に関するデータを集めるもので、日本政府は韓国に対して強く抗議するとともに中止を求めた。

3月27日に開催された自民党の「外交部会・外交調査会・領土に関する特別委員会・日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」合同会議でも、こうした一連の韓国の挑発行為について議論がなされた。

自民党・領土に関する特別委員会の新藤委員長

領土に関する特別委員長の新藤義孝元総務相は、韓国国立海洋調査院による竹島周辺での海洋調査計画を「さらに悪質な韓国の暴走が行われようとしている。この韓国の国立海洋調査院による竹島周辺の海洋調査活動。特にウェーブライダー(自律型海洋観測装置)やドローン。こういったものを使ったもの、従来にないものであります。絶対に許せない。そして必ず阻止しなければならない」と批判した上で、「言葉だけの抗議ではなく、現実的な具体的な対抗が取れないのかということを、私たちはやらなければいけないと思います」と、一連の韓国の行動に対する具体的な対抗措置に言及した。

また、いわゆる「元徴用工」に関連して、日本企業に対する資産差し押さえの決定が相次いでいることから、「日本企業に実害が起きた場合には必ず具体的な措置をとる。日本の本気を示されなければいけない。日韓の基本的な問題を根底から壊すこういう暴挙を許しては国と国の信頼も成り立たないし、外交も機能しなくなる。日本の本気を示す、そういう時期まで来てしまった。」と述べた上で、「私は韓国の今の政権、そして韓国政府に対して、早く眼を覚ませと。しっかりしろと。このように申し上げたいと思いますし、日本としてもそのことを強いメッセージを送っていかないといけない」と怒りの声を挙げた。

「韓国との外交断絶」や経済制裁などを求める声が相次ぐ

会議では出席議員からも韓国に対しての厳しい声が相次いだ。

「韓国の行動は狂気の沙汰としか思えない。外交断絶も含めて検討すべきだ。今でなくていつなんだ?第三国から日本がどうみられると思うのか」

「最後はどこまでやる気があるかだ。韓国に痛みが出る制裁を考えないといけない。」

「仮に経済制裁というようなものが行われれば、日本企業にも影響が出るが、それは覚悟の上で、より韓国側に打撃が大きい対策を進めるべきだ」

日本政府が検討中とされる韓国に対する対抗措置については、議員が「具体的な対抗措置を準備しているというが、それは国民に見せるべきだ」として、出席した外務省幹部を問い詰める場面もあった。出席議員らはかねてから、日本の駐韓大使の召還や、経済制裁、韓国からの入国規制案を求める声も出ていただけに、波状攻撃のように続いて来る韓国の暴挙に対する日本政府の対応を、生ぬるく感じているようだ。

一方で、対抗措置の検討を進める中でも、今回の竹島周辺の調査の問題などについては、「具体的な協議の場を設けるべきだ」との意見も挙がった。これはかつて、日本と韓国が海洋調査を巡り一触即発の状況になった時に、次官級協議でそれを回避した例もあるからで、政府側も「真剣に検討する」と回答した。

実害が出れば“対抗措置”を発動へ

会合後に新藤氏は、記者団から対抗措置のタイミングについて問われ

「相手の出方を見極めながら、実際に実害でた時、これがデッドライン。そういうタイミングだと思います。中には、期日を切ってやるべきだという意見もございました。しかし、外交の問題ですから、実害が生じて我々が対抗措置をとるべき時、それがデッドライン」と述べて、例えば韓国側が差し押さえている日本企業の資産を現金化する売却申請などに踏み切るなどすれば“デッドライン”を超えたとして、必ず対抗措置を発動するとの考えを強調した。

韓国の文喜相国会議長

また新藤氏は、27日に韓国の文喜相国会議長が、韓国紙ハンギョレ新聞のインタビューで、慰安婦問題について、再び安倍首相や天皇陛下の謝罪を要求したことについては、「韓国の方の天皇陛下に対する不敬発言は、これはコメントに及ばす、相手にせず。それはもう不見識と非常識をさらけ出しているだけの話だ。これは我々とすれば怒りを通り越して呆れるばかり。コメントに値もしない」と無視する考えを示した。

これについては、菅官房長官も外交ルートを通じて謝罪と撤回を求めたことを明らかにし、「韓国国会議長の一連の発言は甚だしく不適切であってコメントする気にもならない」と切り捨てている。

“戦略的無視”が日本で広がる中、韓国は理性的な対応が取れるのか

最近、日本の政界では韓国に対して“戦略的無視”という言葉が飛び交っている。これまでの日韓が積み重ねた歴史を壊し、様々な問題を深刻化させた文在寅政権とは付き合う必要ない。相手にするだけこっちが損という考で、まともな政権が韓国で誕生するまでは無視を続けるというものだ。

こうした声が広がることは、日韓両国の平和と安定に向けては決して良いとは言えない状況ではある。ただ、一方で次々に繰り出させる挑発行為に対して、27日の合同部会のように我慢の限界が近づいていることも確かだろう。

韓国に対し「強く抗議する」と発言する菅官房長官

日本政府としては対抗措置の前にまずは協議を重視する姿勢で、元徴用工訴訟をめぐる日本企業の資産差し押さえの問題では、日韓請求権協定に基づき、2国間協議を申し入れているし、竹島問題を巡っても、協議の場を設けるべきだとの声も挙がっている。

ただ、こうした声も韓国側の誠実な対応がなければ、諦めへと変わり対抗措置に入らざるを得ず、対抗措置の応酬という負の連鎖に入っていくことになりかねない。それは日本も痛みを伴うかもしれないが、韓国が失うものもあまりに大きいのではないだろうか。

【執筆:フジテレビ政治部 自民党担当キャップ 中西孝介】

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