韓国の「海上ドローン」調査は反日機運を盛り上げる広報戦略にすぎない

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  • 「海上ドローン」調査は、「独島」を守る広報戦略だ
  • 韓国の反日活動はエスカレートするばかり
  • 形式的な抗議ではなく国際機関への訴訟も含めた具体的な対応を

韓国が「海上ドローン」で海洋調査

3月25日、韓国・国立海洋調査院は、竹島および鬱陵島周辺海域において、「海上ドローン」と呼ばれる自立型無人観測装置を使った海洋調査を計画していることを公表した。

この海洋調査計画は、韓国国内での反日機運を盛り上げることが主な目的である。韓国は、北朝鮮に振り回された上に和平の糸口も切れ始め、さらに景気の悪化が続く。支持率に悩む文在寅政権にとっては、国内の不満を日本統治時代への不満に目を向けさせるしか政権を安定させる施策がないのだ。

「独島」を守る広報戦略に過ぎない

今回、韓国が予定している調査は、本格的な海洋調査ではない。海上ドローンは、海面上での安定性が悪い上に搭載できる機材にも限界があり、簡易な調査にしか機能しないのだ。海洋調査で、海上ドローンを使うのは、沿岸部の海岸および海底地形、海岸周辺の水深、潮流、海水成分などの基礎的な海洋調査の場合である。

また、今回の調査は民間の調査機関に委託する予定だが、竹島と鬱陵島の二島の周辺海域を調査するには2億円という予算はあまりにも少ない。本格的な海洋調査を行うには、1日当り1000万円以上の費用が必要なのだ。今回の海洋調査は、韓国国内の反日派に対して「独島」を守る姿勢を見せるための広報戦略の一環であると考えられる。

韓国の仮想敵国は「日本」

しかし、今回の調査が竹島の沿岸部に限定されるのであれば、軍事的な意味合いも持つ。韓国以外の国や軍事勢力が上陸を企てた場合に対抗する島嶼防衛の基礎資料として有効であろう。

竹島の沿岸の海底には暗礁が多く、また、潮流も複雑であるため、水陸両用艇や揚陸舟艇を利用できる場所は限定される。その場所を正確に把握することは島嶼防衛計画を作るにあたり不可欠である。

ただし、今回は民間機関への委託であり、あくまでも基礎調査だ。今後、この調査を基に軍部が詳細な調査を開始するとなると、本格的に海上から韓国以外の国や軍事組織が、竹島への進入を企てた場合に対処する防衛体制を構築することが目的である。その場合、韓国の仮想敵国は日本だ。昨年、長崎県相浦に配備された日本型の海兵隊である陸上自衛隊の水陸機動団が、竹島奪還に動いた場合の対処策である。

竹島は日本の領土である。1951年に調印された第二次世界大戦の講和条約であるサンフランシスコ平和条約においても、日本の領土であることが認められている。国際社会の決定を不服とした韓国は、1952年に、強引に竹島を占領し実効支配体制を構築したのである。竹島の周辺海域は、日本の領海である。

日本政府は具体的な対応を

日本政府は、今回も外交ルートを通し抗議しているが、韓国への抗議が意味を為さないことは明白である。抗議以上の強い姿勢で臨まなければ、国際社会は、日本が主権侵害を黙認していると受け止めることであろう。

これまでに日本は韓国の経済発展や民主化に協力を惜しまないできた。しかし、近年、韓国の政治的な反日活動はエスカレートしている。日韓請求権協定で解決している徴用工といわれる第二次世界大戦中の旧朝鮮半島出身労働者の問題を蒸し返すなど、国際法を無視した韓国の対応に多くの日本国民は落胆している。

さらに韓国軍艦によるレーダー照射問題、日本海域での不法な海洋調査など軍事、防衛的な信頼関係も崩れ始めている。日韓関係の再構築のためには、形式的な抗議ではなく、国際機関への訴訟も含めた具体的な対応に出なければならない。さもなければ、日韓関係の混乱は、偶発的契機が起きると一線を越えても不思議ではない状況にあるのだ。

【執筆:海洋経済学者 山田吉彦】
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