“1%の希少種”ゴールデンミルクのジェラート好評…遊休農地で酪農挑戦!【長野発】

カテゴリ:地域

  • 兄弟二人三脚…酪農と“1%の希少種”ジェラート販売
  • 野菜畑だった場所で…「ゴールデンミルク」搾乳
  • 自分は“楽農家”…「お客さんの笑顔見ると楽しい」

遊休農地を生かせ!酪農でジェラート販売

酪農家が減少する中、去年、牧場主となった男性がもともとは野菜畑だった場所に牛を放牧。遊休農地を酪農に生かし、搾りたてのミルクを使ったジェラートを販売して注目を浴びている。

注目を浴びているカフェ「ミルグリーン」

手作りのジェラートやチーズを提供しているカフェ「ミルグリーン」。去年4月、長野・小布施町にオープンした。一番人気は、国内で飼育されている乳牛のわずか1パーセントという希少種、ジャージー牛のミルクを使ったジェラートだ。

そのジャージー牛は、長野・小布施町にある牛舎で飼育されている。世話をしているのは木下荒野さん(30)。

木下荒野さん(30)

小布施牧場・木下荒野さん:
(牛は)家族の一員でもありますし、仕事の大事な仲間、パートナー。毎朝来てエサをあげて、しっかり食べているかなとか、ちょっとした変化を見逃さないように気をつけている。

野菜畑だった場所で…「ゴールデンミルク」搾乳

毎朝行うという搾乳。1回に搾る量は、1頭あたりおよそ10リットル。ジャージー牛は、ホルスタインに比べ体が小さく、生乳の量も半分ほどだが、脂肪分が多く、上品なコクと甘さから「ゴールデンミルク」とも言われている。

小布施牧場・木下荒野さん:
一日一日、牛にも変化があって、変化がある中で、自分と牛との距離も何となく縮まるような感じもあったり。酪農の仕事も面白いなと思ってこの道を選んだ。

木下さんは小布施で栗栽培と出版業をしていた家の次男として生まれたが、小さい頃から動物好きで北海道の酪農学園大学へ進学。卒業後は、故郷で酪農を営むことを目指し、県内の牧場で3年間働いたという。
さらに、本場ニュージーランドへ。そこで得られた経験が今、生かされている。

ニュージーランドでの木下荒野さん

晴れた日、木下さんは牛を牛舎から出して放牧する。実はここ、元々は野菜畑だった場所だ。

小布施牧場・木下荒野さん:
遊休農地だった場所に牧柵を作り、種を植えて牧草地にした。日本の酪農は、牛舎か高原に行かなきゃ牛が見れないんですけど、もっと牛を身近に感じていただきたくてこの場所を選んだ。(ニュージーランドのように)里山に牛がいて、牛たちが下草ややぶを払っている。日本でもそうした酪農の価値を作りたくて。小布施は今、遊休農地が広がってきているので、牛と人で遊休農地を再生させたい。

遊休農地を酪農に生かす。それはニュージーランドで得られた発想。去年3月、農地を借り、牛7頭を購入して念願の酪農を始めたのだ。
さらに木下さんは酪農を営むだけでなくカフェもオープンさせた。しぼりたての生乳はすぐに店へ。店にはジェラート作りを担当する頼もしいパートナーがいる。ホテルの仕事を辞めUターンしてきた兄の真風さん(32)だ。

兄の真風さん(32)

兄弟で二人三脚…ジェラートの評判は?

兄・真風さん:
30歳を機に戻ってこようと思っていたタイミングで、彼(弟)も酪農家として独立したいということで、一緒にお店をやろうと。私が兄なんですけど、彼が弟で社長。酪農について素人なので、彼がメインになって、私が一歩引いて、サポートできれば。

コクと甘さを生かすため、生乳は68度で30分間低温殺菌。それを、イタリア製の製造機に入れると口当たり滑らかなジェラートが出来上がる。
「ジャージーミルク」のほか、旬のフルーツや野菜をミックスした10種類を販売。生乳を使ったモッツァレラチーズなども好評だ。

10種類が販売されているジェラート
生乳を使ったモッツァレラチーズ

来店客:
おいしいです。毎回、牛乳とピスタチオを頼みます。甘すぎず、まろやかで、さっぱり。

来店客:
とてもミルクの味が濃くておいしい。

こだわったのは味だけではない。店の前に広がる雑木林は荒れ放題だったが、木下さんが間伐し、夏場に子牛の放牧地として活用している。

夏場に活用される子牛の放牧地

小布施牧場・木下荒野さん:
牛を放牧してきれいな森にしようと。牛を眺めながらジェラートを召し上がっていただくという価値も見出したくて。

長野県内の酪農家は、後継者不足や飼料の高騰で減少しており、乳牛の飼育頭数は20年前の約3万3100頭の半分の約1万5300頭に。農家数は1070戸から3割の319戸までに減っている。
厳しい環境を遊休農地の活用と6次産業化で乗りきろうとしている木下さん。自分は「楽農家」だと話す。

「楽農家」と語る木下荒野さん

小布施牧場・木下荒野さん:
大好きな牛たちとともに過ごして、ミルクを搾って、ジェラートやチーズになってお客さんの笑顔を見ると本当に楽しい。小布施牧場が成功しないと成功モデルになれないので、この1年必死に頑張ります。

【関連記事:日本各地の気になる話題】

FNNピックアップの他の記事