シリーズ 最後の巨大市場 アフリカの攻防①携帯保有率100%!進むキャッシュレス…急成長する“シリコン・サバンナ”

  • 大自然と最先端の技術が共存する「シリコン・サバンナ」・ケニア
  • ネット普及率は約72%、携帯電話保有率は100%超え
  • 遊牧民・マサイの生活にも浸透する決済システム「M-PESA」

電子マネー革命

フジテレビ開局60周年特別企画。
「シリコン・サバンナ」と呼ばれ、残された最後の巨大市場・アフリカの中で急成長しているケニアについてシリーズで放送する。

25日は、国の経済を劇的に変えた「電子マネー革命」に迫る。

赤道直下の国・ケニア

見渡すかぎりに広がる広大なサバンナとその傍らにそびえ立つ高層ビル群。東アフリカ、赤道直下に位置する野生の王国、ケニア。

人口およそ4,600万人、国土は日本の約1.5倍。実はケニアは、ここ10年、実質GDP(国内総生産)の伸び率が平均5.5%と、著しい経済成長を遂げている。

今、この国で劇的な進化が起きていた。
首都ナイロビから車でおよそ1時間。たどりついた先にいたのは、牛追いをしているマサイの男性。

牧畜で生計を立てているという、この男性の左手にはやり、そして民族衣装の中から取り出したのはスマートフォン。

遊牧民・マサイに広がるIT化の波

スマホを持つマサイの男性

男性
「スマートフォンは娘がくれたんだ。教師をしているんだが、牛の写真を送ると、娘も写真を送ってくれるんだ」

男性の家の屋根にはソーラーパネル。電気が通っていなくても、スマホの充電は欠かせない。

屋根に取り付けられたソーラーパネル

ネット普及率は約72%、携帯電話保有率は100%超え

ケニアでは、ここ10年ほどで情報通信産業が急速に発達し、ネットの普及率は約72%。
携帯電話の保有率は2018年、100%を超えた。

遊牧民であるマサイにも広がる、IT化の波。
実は、彼らが使うスマホの中に、この国の急成長を後押ししている秘密がある。

ケニアの人の生活に浸透する「M-PESA」

男性
「“M-PESA”はいつも使っているよ。便利だからね。お金はいつも必要だし、これですぐに送金できるからね」

「M-PESA」とは、ケニアの大手通信会社・サファリコムが2007年に始めた携帯電話を使った送金システムのこと。

実は、今では当たり前となったこのモバイルサービスを世界で初めて導入したのがケニアだった。

現金のチャージや引き出しができる代理店

携帯電話を使った送金システム

銀行口座がなくても、携帯さえあれば利用できるのが特徴で、通常の買い物のほか、出稼ぎで得た収入を家族に送金するなど、貧困層を中心に爆発的に広まった。

街中には、現金のチャージや引き出しができる代理店が至るところにあり、その取引額はケニアのGDPのおよそ50%にも及ぶ。
ケニアの人の生活の隅々にまで浸透している「M-PESA」。

お金を引き出しに来たマサイの男性

こちらのマサイの男性は、この日、友人から送られたお金を引き出すために店を訪れた。

男性
「スマートフォンは5年前から使っている。これがなかったら大変なことになる。インターネットも使っているし、いろいろな面で生活に役立っているよ」

マサイの生活をも変えた「M-PESA」。
富裕層から、いわゆる貧困層まで、あらゆる層が利用できる決済システムを普及させたことが、ケニア経済成長の原動力となっている。

大自然と最先端の技術の融合。
未知なる可能性を秘めた国・ケニアは今、大きな変貌を遂げていた。

(「プライムニュース α」3月25日放送分)

【関連記事シリーズ 最後の巨大市場 アフリカの攻防】
#2元JICA職員がケニアの若者とともに“日の丸スタートアップ”で奮闘中!
#3ケニアを席巻する中国マネーの功罪
#4IT大国ケニアの富裕層とスラム街…拡大する“貧富の差”


プライムニュース αの他の記事