頼むから捨てないで… 「生前見積」で自分の“お宝”の価値を証明しておく“オタクの終活”が話題

カテゴリ:国内

  • 自分の死後にうっかり捨てられないために…コレクションの「生前見積」が話題
  • 過去には最大1500万円の査定金額も   
  • 担当者「客の高齢化からうまれたサービス」 

「生前見積」で大事なコレクションを守りたい…

今や日本の経済を動かしている…と言っても過言ではない、“オタク”マーケット。
アニメにアイドル、鉄道、カメラ…と、そのジャンルは多岐にわたり、「オタク」の一言でまとめるのは難しいが、好きなものに囲まれていたい!という願望から、秘蔵のコレクションを数多く持っている人もいるだろう。

そんな人たちには「あるある」かもしれないが、もし自分の身に突然、万が一のことがあったら、コレクションはどうなってしまうんだ!?価値をわかっていない家族に捨てられてしまうのでは…という考えがよぎったこともあるはず。

そんな中、コレクターズショップを展開する株式会社まんだらけの「生前見積」というサービスが、今、悩めるオタクたちの注目の的になっているのだ。

まんだらけ公式サイトより

まんだらけの公式サイトによると、このサービスは「コレクションの整理を考えている方を対象に生前に見積もり査定をし、お別れのときがきたら生前のご希望に沿ってコレクションを次のかたちで引き継ぐお手伝いをさせていただく」もの。

アニメグッズや漫画、プラモデルなど、まんだらけが取り扱っているものを対象として、100点までを無料で見積もりしてくれるという。

まんだらけ公式サイトより

手順としてはまず、まんだらけの公式サイトや電話から申し込みをし、見積もりしてほしい品物の情報や画像を送信する。
依頼内容に問題がなければ査定が開始されるので、あとはメールや郵送で見積もり結果が送られてくるのを待つだけだ。
基本はPCでのやり取りで、店頭への持ち込みなどは要相談とのこと。


このサービスは2016年に開始されたものだというが、Twitter上に「ついに来た…」と投稿されたことで再注目。
オタクもいつかは死ぬという事実…」としんみりする人もいたが、「コレクションをゴミにされたくないから良いサービス」「サブカル大国日本ならでは」などの反響が寄せられている。

確かに、その道に詳しい人たちには一目で価値が分かっても、素人にはさっぱり…ということはよくあるだろう。
苦労して集めた愛着のあるコレクションだからこそ、できれば“同士”のもとに旅立っていってくれたら…と願う人も多いはずだ。
そんな時、正式に発効された見積書があれば、うっかり捨てられてしまうということもなくなるかもしれない。

コレクターたちに嬉しい「生前見積」について、まんだらけの広報担当者に詳しくお話を聞いてみた。

客の“高齢化”から生まれたサービス

――このサービスを作ったきっかけは?

まんだらけ創業時(1980年)から通われるお客様の年齢も高くなり、集めたコレクションの行く末についてのご相談が増えてきました。「もしも」の事があった際に、大事に収集してきたコレクションの価値をご家族や周りの方が理解していれば、捨てられることなく次のコレクターにスムーズに引き継げるのではないか?との想いから「生前見積」というサービスを始めました。

――通常の買取査定とは何が違う?

生前見積は、死期を悟り生前にコレクションの行く末を考える方や、終活・生前整理を真剣に悩まれているコレクター向けのサービスです。まんだらけHPにある「生前見積」の専用ページから価値を知りたいコレクションの情報や画像をお送りいただき(1回の申し込みで100点まで)、その情報を元に査定を行い見積書を発行(メールで添付して発送)します。見積書は万が一の際の遺品整理などにご家族や周りの方が利用できます。見積発行後にコレクションを売る売らないはサービス利用者の判断になります。

「生前見積」が通常の買取査定と違うのは、あくまで“終活”を見据えた人向けのサービスである、ということ。
まんだらけでは手元にあるコレクションの買取サービスも行っているが、これが「品物を売りたい人なら誰でも利用できる」ものなのに対し、「生前見積」は年齢や病歴などを含めて終活を考えている人が、資産として考えられるコレクションの価値を明らかにするためのものなのだという。

そのため、査定の中心となっているのは、「ブリキ玩具、超合金、怪獣ソフビ、絶版プラモデル、貸本などのヴィンテージ漫画、直筆のイラストやサイン色紙などの市場価値の高いコレクターズアイテム」で、現在入手が容易なもの・市場評価が低いものは対象外。
将来、実際に買い取ってもらう時には査定額から多少の変動があるかもしれないが、もともと市場価値の高いアイテムのみを対象としていることで、大きな変動は考えにくいだろう。
まんだらけによると、査定価格が1,500万円にものぼったケースもあるという。

利用層は50~60代 「家族が喜んでくれた」の声も…

――「コレクションを引き継ぐ手伝い」をしてくれるということは、依頼人が亡くなった後に買取希望者を探してくれたりもする?

生前見積サービスを受けた方がお亡くなりになった場合でも、こちらから連絡することはございません。ご遺族の方からご連絡があれば買取の対応を行います。

――実際に利用した人からの声は…

「コレクションに興味のなかった家族が見積額を見て喜んでくれた」「見積金額に納得がいったのですぐに整理したい」「万が一の時にコレクションが捨てられることはないので一安心した」などの声がありました。


――このサービスへの反響について…

取材のお問い合わせが急激に増えており、このサービスがより多くのコレクターに周知されることを願っています。


現在、この「生前見積」は月平均3~4人が利用。いわゆる「ガンダム世代」や「宇宙戦艦ヤマト世代」の50~60代の利用者が多いというが、最近では40代の利用も増えてきているということで、早め早めの「終活」が広まってきている証拠かもしれない。

見積もり後すぐの買い取りを希望する人もいるというが、その価値が確認できれば、同じ“オタク仲間”にコレクションを引き継いでもらったり、家族に大切に保管してもらったりと、大切なコレクションの行く末を案じる悩みが減ることは間違いない。