“警察官の交通違反は見逃すべき” 「トンデモ持論」で警察官が交通違反もみ消し依頼

カテゴリ:国内

  • 警視庁地域課の巡査が同じ警視庁の警部補の交通違反を“もみ消し依頼”で見逃し 
  • 警視庁OB「過去に2回見逃している…」身内に甘い驚きの“持論” 
  • 「警察に対する信頼を失墜する行為…」警視庁の処分は戒告処分と減給 

現役の警察官が同僚の交通違反を見逃す

今月8日、警視庁人事一課からある事件の発表が行われた。
麹町警察署に所属する警察官を含む3人を犯人隠避容疑で書類送検したというものだった。

去年2月、警視庁麹町警察署に所属する地域課の巡査(25)が、東京・千代田区の交差点で公用車を運転中の警視庁組織犯罪対策課の警部補(44)が赤信号を無視したのを現認したにも関わらず、反則切符の告知をせずに見逃していた疑いだ。

実は書類送検された巡査は、当初、同僚の警部補の交通違反を現認した後、近くの警察施設で反則切符の手続きに入っていた。

しかし、そこにいた警視庁OBで同僚の男性非常勤職員(64)からある“アドバイス”を受けた結果、反則切符の告知をせずに見逃すという行為をとったのだ。

警察官による同僚の交通違反の“もみ消し”事件。背景には一体何があったのだろうか。

警視庁OBが驚きの持論「公務中は見逃すべき、自分は過去に2回見逃している」

巡査は、東京・千代田区の交差点で車両の交通違反を現認し、車両を停止させ運転手に免許の提示を求めた際、取り締まりを受けた警部補は警察手帳を見せ、身分を明かした上で「できる事なら見逃してほしい。指導警告になりませんか?」と求めたが、巡査はそれを受け入れることなく、近くにあった地域安全センターに移り、反則切符の手続きに入った。

OBから驚くべき“アドバイス”があった「竹橋地域安全センター」(東京・千代田区)

しかし、この施設内で、警視庁OBで同僚の男性非常勤職員(64)から次のようなアドバイスを受けたという。

 「違反者が警察官であったのであれば、警察官の公務中の交通違反は見逃すべき。自分は現役中に2回見逃している。」

これを受け、巡査は手続きをやめ、この交通違反は見逃されることとなった。

巡査は警視庁の調べに対し「運転手に警察手帳を提示され、非常勤職員に警察官は反則切符を切ってはいけないと言われ、この交通違反は3人しか知らないのでバレないと思った」と話したという。

一転、匿名通報から事件発覚

“もみ消し依頼”で見逃されたままになっていた交通違反だったが、去年10月、警視庁に匿名の通報があり事件は発覚した。

その後、警視庁人事一課の取り調べに対して、3人は交通違反のもみ消しに関わった事実を認めた。

「もみ消し」の3人は戒告処分と減給に

警視庁OBが身内をかばうアドバイスを行い、現役巡査がそれに従った今回の事件。

警視庁人事一課は、実際にもみ消した巡査(25)と交通違反を見逃すように依頼した警部補(44)に対して戒告処分。

そして、“持論”をアドバイスをした警視庁OBで非常勤職員(64)を、減給100分の10(1か月)の処分とした。

この事件について、別の警視庁OBは、「警視庁がOBを再雇用して現場に配置しているのは、長年培った経験を若い警察官に教え、その仕事を伝承、継続していくためであり、このような悪しき慣習を伝えるために配置しているのではない」と、憤りをあらわに語る。

一般人の交通違反は取り締まられ、警察官の公務中の違反は見逃される事実が本当にあったとするならば、警察への信頼は根幹から揺るがされる。

警視庁人事一課は「警察に対する信頼を失墜する行為であり厳正に処分しました。今後、職員に対する教養をさらに徹底し再発防止に努めてまいりたい。」とコメントしている。

(執筆:フジテレビ社会部警視庁担当 河村忠徳)