まもなく“秘境駅”が誕生!でも改札口なし…下車したらどうしたらいい? 錦川鉄道に聞いた

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  • 3月19日に山口県に新たにできる「秘境駅」が話題
  • 眼下に錦川があり、滝もみられる絶景ポイントだが…
  • 担当者「改札口含め出入口もございません」

「秘境駅」
絶景の中に佇む駅や、周囲に人家が少なくいつ廃止になってもおかしくない場所の無人駅など…こういった駅をめぐる鉄道ファンもいるだろう。

そんな中、3月19日に新たに「秘境駅」が誕生するのをご存じだろうか。
それがこちら!

「清流みはらし駅全貌 駅出口という概念がない」

というコメントとともにGota.del.Vient-SH-1さんがTwitterに投稿した写真には、大自然の山の中にポツンとあり、川を見下ろす絶景の場所にある駅。
だが、普通の駅にはあるはずの改札がない。コメントにもあるとおり、当然、出口もないので下車してもどこにも行けない。

このツイート対し「こんな駅もありますか?ウソ!出口もないのにww」や「秘境駅!」など驚きの声が多く寄せられている。

実は、この駅は、山口県の岩国市の川西駅から錦町駅に至る、全長32.7kmの錦川清流線に26年ぶりにできる新駅「清流みはらし駅」。
錦川鉄道の錦川清流線は、錦帯橋の架かる錦川の清流に添うようにあり、車窓から四季折々の美しい景色を堪能できる路線で、新駅は南桑駅と根笠駅の間にできる。

絶景が楽しめるのは間違いないが、いったん下車したら次の列車がくるまで、ずっと駅で待たなければいけないのか?それとも秘密の出口があるのか?
この謎の多い駅について錦川鉄道の営業担当副課長 杉原孝幸さんに聞いてみた。

改札口含め出入口もございません。

ーー改札や出口などはないの?

この駅には、駅に行きつく道路等がございません。したがって、当然改札口含め出入口もございません。


ーートイレや椅子など普通の駅にはあるものもないが?

通常の駅とは異なり、列車ご乗車のお客様の一時滞在を目的とするため、トイレ、イスなどの設備はございません。また、開業にあたっては中国運輸局様と調整を行い、駅の認可にあたり「法令において掲示等が必要な事項のうち別表に掲げるものについては掲示等の必要性がないため、掲示等を省略することとする」とし、時刻表や運賃表などの掲出もございません。


ーーなぜこの駅を設置しようと思った?

山口県の「岩国地域観光資源整備事業」に基づき設置いたします。岩国地域の観光振興を図るためには、岩国地域の観光資源の魅力を向上させ、観光客の滞在、周遊を促す必要があります。

そこで、錦川清流線に取り込んだ観光客が快適に観光を行なえるよう、拠点駅の整備と、錦川清流線沿線の絶景ポイントの整備を行い、それが「錦町駅のリニューアル」とこの度の「清流みはらし駅」の開業になります。


ーーこの駅の魅力を教えて

この駅は、眼下に錦川を臨む位置に設置いたしました。川底まで透き通った錦川の眺めをご覧いただけます。 駅の山手には滝もあり、公募で「錦川みはらしの滝」と命名いたしました。また、山桜、新緑、ホタル、紅葉、泳ぐ魚、水鳥を含めいろいろな野鳥など、四季を通じてお楽しみいただけます。


改札口なし、トイレ・椅子なし、時刻表なし…と本当に何もない秘境駅で、あるのは目の前の絶景のみ。列車以外で行きつく道路もない駅で、「一時滞在を目的」というのはどういうことなのか聞いてみた。

下車後、あらためてその列車に乗車

ーー景色を見るために少しの間停車をするの?

この列車にご乗車のお客様が、当駅の停車時間10分程度で駅にお降りいただき、まわりの景色などをお楽しみいただいて、あらためてその列車にご乗車いただく行程となります。


ーー全ての列車が停車するの?

この駅には、弊社で企画する現時点では、イベント列車もしくはお客様からのご依頼で設定する臨時列車のみ停車いたします。
現時点では、定期列車の停車は想定しておりません

「利き酒列車」を予定

ーー新駅開業ということは常設ということ?

今後、地図の改定等で「清流みはらし駅」が追加されると思います。
大型時刻表にも、JTB発行では3月号から掲載され、交通新聞社発行も4月号から掲載の予定です。仮設ではなく、恒久的な設備として建設しております。


ーー清流みはらし駅に関するイベントなどは企画してる?

弊社で臨時列車を設定するイベントでは、その臨時列車が停車いたします。直近では3月30日~4月1日にかけて「利き酒列車」を設定しています。
また、「清流みはらし列車(仮)」として広い客層に対応できる臨時列車の設定を、毎月運行できるよう現在急ぎで準備を行っているところです。
それ以外でも、お客様のご意見をうかがいながら新しい設定を考えていきたいと思います。


鉄道ファンはもちろん、普段見ることができない景色を見て癒されたい人は、春休みや今年は10連休となるゴールデンウイークに、できたてホヤホヤの秘境駅を訪れてみるのはいかがだろうか。