“消える薬物コカイン”を尿から逃がすな! ピエール瀧容疑者逮捕でマトリがとった驚きの手法とは

カテゴリ:国内

  • ピエール容疑者を逮捕したのは薬物捜査のプロ集団、麻薬取締官
  • 麻取は厚生労働省の中の一つの部署 取締官は薬剤師も多い
  • “消える薬物”コカインを捕まえる麻取の驚きの手法とは・・・?

麻薬取締官は職務質問をしない

移送されるピエール容疑者

オオシバくん:
また芸能人の薬物事件が起きたんだね?

平松デスク:
ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者が逮捕されたね。逮捕したのは、警察じゃなくて、麻取だから、しっかり内偵捜査をしていたんだね。

警察は、不審者への職務質問を端緒に、捜査を広げていくことがある。一方、麻薬取締官は、職務質問はしない。その代わり、じっくり内偵捜査を進める。薬物捜査のプロ集団なんだ。

オオシバくん:
警察とは、ずいぶん違うんだね。

平松デスク:
麻取は、正式名称が、麻薬取締部。厚生労働省の中の部署の一つなんだ。厚生労働省は、風邪薬や処方薬など、薬について所管する役所でしょ。薬の値段から成分まで、色んなことを調べたり、規制している。当然、違法な薬物についてもチェックしている訳さ。だから、厚労省は自分たちの組織の中に、麻取という、警察のような取り締まり機関を持っているのさ。

ところで、麻薬取締官と言えば、警察官ばりに、家宅捜索や逮捕しているイメージがあると思うけど、実は、薬学部を出て、薬剤師の資格を持っている人も多いんだよ。そこが、厚労省っぽいよね。

コカイン摘発事件は少ない

薬物事犯検挙人数の推移 警察庁HPより

オオシバくん:
ピエール瀧容疑者が逮捕されたのは、コカイン使用容疑だよね。覚せい剤とは違うんだ~。

平松デスク:
そうそう、逮捕の一報を聞いた時に、『え~、コカインなんだ、それは珍しい』と思ったよ。日本の薬物事件の主流は覚醒剤。

おととし、覚醒剤事件で逮捕されたのは、およそ1万人。これに対してコカイン事件で逮捕されたのは、わずか177人。

まぁ、近年、コカイン事件の摘発件数が増えていると言われているけど、でも、覚醒剤と比べると微々たるもんだよ。僕ら社会部の記者だって、コカインの摘発事件を報道する機会はほとんどないのさ。

南米からヨーロッパへ流れる

コカインの原料となるコカの葉

オオシバくん:
なぜ、コカインの摘発が少ないの?

平松デスク:
それは、コカインが日本になかなか入ってこないからさ。アメリカ映画では、よく、南米の密輸組織を描いたものがあるよね。なぜかというと、コカインは南米のコカから作られるんだよ。だから、コカインは、南米から比較的近いアメリカやヨーロッパに流れるのが主流。日本は遠いから、あまり密輸されないのさ。

中国や北朝鮮で生成された覚醒剤が、近場の日本に来ているのと同じ構図なんだ。

採取した尿は冷凍保存

オオシバくん:
ふ~ん。そう言えば、ピエール瀧容疑者は、コカインを使っていたけど、所持はしていなかったんでしょ?

(画像はイメージ)

平松デスク:
そう、あれは、麻薬取締官も驚いたと思うよ。当然、所持をしていると踏んで、強制捜査に入ったけど、コカインは見つからなかった。幸いなことに、尿鑑定をしたらコカインの成分が出てきた。だから逮捕できた。たぶん、そんな感じじゃないかな。これは僕の予想だけど。

実は、コカインの使用って、摘発が難しいとされている。なぜかと言うと、コカインが、すぐ〝消える〟薬物だからさ。コカインの場合、その成分は1~2日ぐらいで、体内から排出されて、消えちゃうんだ。

一方、覚醒剤だと、1週間ぐらい体内に残るとされている。だから、コカインは尿鑑定でも、なかなか引っ掛かりにくいんだってさ。変な話だけど、それほどコカインは、成分が〝消えちゃう〟薬物だから、麻取では、採取した尿を、すぐに冷凍保存するらしいよ。

【執筆:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】

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