ユニフォームの枚数も移動待遇も違う!J2選手たちから明かされたJ1との格差

  • 「僕のユニフォームが息子に…」J2のユニフォーム事情
  • 水戸は移動が大変?本間選手が“移動が大変ランキング”発表 
  • 観客席から煙、顔のないサポーター?J2は応援も熱い

2月22日に開幕した今年のJリーグ。

日本プロサッカーリーグ、通称「Jリーグ」には39都道府県55チームが参加。チームの実力で分けられたJ1、J2、J3の3つのカテゴリーでリーグ戦が行われている。

今回特集したのはその中でもJ2。

J2には日本サッカーのレジェンド・三浦知良選手、元W杯日本代表の松井大輔選手、田中マルクス闘莉王選手、大黒将志選手など、J1に負けない一流選手が多数在籍しており、1月に行われた「AFCアジアカップUAE2019」の日本代表でも、槙野智章選手や乾貴士選手など、23人の日本代表のうち13人がJ2経験者。

世界で活躍する日本人ストライカーの香川真司選手もJ2でプロデビュー。Jリーグ通算125試合のうち114試合をJ2でプレーし、日本でのキャリアをほぼJ2で過ごして世界へと旅立った。

さらに、J1とJ2の実力差も縮まり、1993年のJリーグ開幕時から参加している“オリジナル10”と呼ばれる10チームのうち、J2を経験していないのは「横浜F・マリノス」と「鹿島アントラーズ」の2チームだけ。

J2といえど侮れない。今、大注目のリーグなのだ。

3月17日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系列)では、大前元紀選手、大山啓輔選手、本間幸司選手、松井大輔選手、南雄太選手のほか、OBの岡野雅行さん、久保竜彦さん、J2サッカークラブ「V・ファーレン長崎」の社長でもある高田明社長らが登場し、J1とのさまざまな面で違いを明かした。

ユニフォームの支給枚数が少ない!?

南アフリカW杯で日本の決勝トーナメント進出に貢献し、フランスリーグでも活躍した元日本代表で現在「横浜FC」に所属している松井選手。そして、そして、J1で246試合、J2で330試合に出場した、同じく「横浜FC」の守護神・南選手。

2人はJ1との違いを「ユニフォームが少ない」と訴えた。

松井選手は「J1の時は半袖も長袖もあったんですが、J 2は半袖の2枚だけ。アンダーウエアを着るのが嫌なので、半袖に手袋をしたりしてます。ユニフォームは交換すると給料からの天引きになるんです」と告白し、番組MCの浜田雅功さんも驚きを隠せないでいた。

南選手も「キーパーも同じです。ユニフォームが(デザインなどが)新しくなった時、普通は着たものもすべて貰えるんですが、1枚だけ貰えて、もう1枚は育成の下部組織の子たちに回すんです。息子が育成にいて同じキーパーなんですが、僕のユニフォームをもらって家に帰ってきました」と明かすと、浜田さんも思わず爆笑した。

一方で同じJ2でも「大宮アルディージャ」の大前選手は「大宮は8枚あります。長袖と半袖が4枚ずつ…」と明かし、チームによってもユニフォーム事情はそれぞれ違うようだ。

そこで年間300試合もJリーグの試合を観戦する芸能界きっての“Jリーグ通”である平畠啓史さんに、J1とJ2の収入面での違いを説明してもらった。

優勝賞金はJ1が3億円、J2は2000万円で、優勝と関係なく全チームがもらえるリーグからの年間分配金はJ1が3億5000万円、J2は1億5000万円で「これくらい差があるんです!」と熱弁。

さらに、J2になるメディアで取り上げられることが減り、人気チームも限られるため観客も減ってしまうという現状を説明。「チームの平均収入はJ1が40億円、J2は14億円、ほぼ3分の1です」と解説した。

「大宮アルディージャ」や「ジェフユナイテッド市原・千葉」は大企業がスポンサーについているので裕福だが、そうでないチームは経営が厳しいのが現状だという。

「水戸ホーリーホック」の本間選手は「あまり言いたくないですけど、僕たちはお金がないのを知っているので、自分たちでスポンサーを探してチームにつなげたり、ベテランはそうしなければいけないと思っています」と話した。

世界一過酷なリーグ!移動距離がパンパない?

さらに金銭面以外にもJ1とJ2に「移動」という大きな違いがあるという。

驚異の反射神経でビッグセーブを連発し、昨シーズンJ2で10位の「水戸ホーリーホック」のゴールキーパー本間選手は、1999年に「浦和レッズ」から移籍し、水戸一筋20年。J2を舞台に闘い続け、2014年には史上初となるJ2通算500試合を達成したJ2のレジェンドだ。

チームの垣根を越えてサポーターに大人気の本間選手は、去年J2では異例となる40歳の節目のシーズンに密着したドキュメンタリーDVDを発売。水戸で21年目を迎える今シーズンも、本間選手はJ1昇格への夢を掴むため闘っている。

そんな本間選手は、試合間隔の短さと移動距離の長さからJ2を「世界一過酷なリーグ」と称した。

なぜなら、「J1は18チームで大都市や関東近辺が多いんですが、J2は22チームあって、大都市も少ないし、移動が大変です」とその理由を明かした。

J2チームは飛行機や新幹線以外、全員一緒にバスで移動するのが基本だが、J2の22チームは日本各地に点在するため移動も大変。

そこで、本間選手は「水戸ホーリーホック」の“移動が大変ランキング”を発表。

3位は「ツエーゲン金沢」戦。金沢までは北陸新幹線が通っているが、水戸から最寄りの駅は高崎。そこまでバスで2時間、新幹線で2時間かかるという。
 
2位は「レノファ山口」戦。水戸は茨城空港は近いものの、山口行きの便がなく通りこして福岡まで。そこからバスで2時間引き返すとのこと。

1位は「モンテディオ山形」戦。飛行機や新幹線がないので、ずーっとバス移動。かかる時間は優に4時間越え。バスにトイレがついていないので、トイレ休憩が3回ほどあり、パーキングエリアでのストレッチが欠かせないと話して笑わせた。

一方、「大宮アルディージャ」はJ1からJ2に降格した時に、「J1の時は新幹線がグリーン車だったんですけど、J2になって普通車に変わりました。外国人や体格の大きい選手は文句を言ってました」と移動の待遇が変わったと大前選手は明かす。

さらにJ2より下のJ3では地方のチームが増加し、現在J3の「ガイナーレ鳥取」のGMである岡野さんは「J3は東北のチームが多いのでバス移動も8~9時間が当たり前。鳥取に入ると電波も入らないこともあり、やることなくてずーっと前を見ている。あれはつらかったです」と移動の大変さを話した。

J2はサポータの応援も熱い

だからこそ、J2のチームは全力でJ1入りを目指すといい、J1とJ2の入れ替え戦では熱い戦いが繰り広げられるという。

平畠さんの解説では、J1の18チームとJ2の22チームが毎年成績によって3チームが入れ替わる。J1下位の2チーム(17位と18位)がJ2に自動降格し、J2の上位2チーム(1位と2位)がJ1に自動昇格。

最後の1枠は、「J1参入プレーオフ」が行われる。J1の16位の対戦相手は、J 2の3位から6位の4チームのトーナメントで勝ち上がった勝者で、この戦いに勝利したチームが次のシーズンでJ1で戦う権利を得られるという。

昨シーズンの順位では17位「柏レイソル」と18位「V・ファーレン長崎」がJ2へ自動降格し、J2の1位「松本山雅FC」と2位「大分トリニータ」がJ1へ自動昇格。3位から6位がプレーオフに回るが、4位の「FC町田ゼルビア」がJ1のライセンスを持っていないため、2018年の「J1参入プレーオフ」は異例となる3チームで対戦し、残留と昇格を目指した。

そんな熾烈な争いがあるからこそ、J1に負けないくらいJ2の応援は熱い。

白熱した試合が行われた「ファジアーノ岡山」の観客席からは、サポーターたちの体から放出された熱気による白煙のような湯気が。

「大宮アルディージャ」では観客席にいるサポーターの数を多く見せるため、サポーターたちが知恵を絞り、人型に切った段ボールにユニフォームを着せた“お手製のサポーター”を制作。大山選手は「試合中には気づかなかったんですけど、試合後の挨拶で“顔がない!”と思って二度見しました」とその時の様子を振り返った。

また、佐藤美希さんは「実際にスタジアムに行って思ったことが、J1に比べてJ2は地元のスポンサーが多いんです。スタジアムの会場にスポンサーの看板がものすごくて。特に『ヴァンフォーレ甲府』はピッチの外に80社以上の看板が。ユニフォームにも載せきれないので、試合の日にスタジアムの目に付くところに置いてあるんです」と話した。

高田社長が抱くビッグプロジェクト

2004年に誕生した『V・ファーレン長崎』。

高田さんが社長に就任したのは一昨年のシーズン前。就任後、高田さんは集客を増やすためさまざまな改革を実施した。スタジアムに向かう沿道では高田さんの思いに賛同するボランティアが、料理や飲み物を無料で提供するなど、敵味方関係なくサポーターをおもてなし。

これまで1試合平均5000人だった観客が、4倍以上の2万2000人に増加。3億円の赤字だったチームが25億円もの売り上げを達成した。

練習環境の整備や観客増加でチームの士気も上がり、社長就任1年で奇跡のJ1昇格を果たすも、J1に挑んだ昨シーズンは残念ながら最下位、1年でJ2降格になってしまった。しかし、さらなるビッグプロジェクトが控えているという。

そのプロジェクトについて高田社長は「2023年くらいになると思いますが、長崎で土地が確保できたので、500億円くらいかけてスタジアムを作ります。ジャパネットの親会社『ジャパネットホールディングス』がそれを作ります。勝った負けたではなく、サッカーは夢があるんです。子どもが喜んだり、お年寄りが元気になったり。スタジアムを立ち上げることで長崎全体の活性化、そして日本から世界に元気を発信できることをやりたい」と熱く語った。

『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送

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