元被告釈放の直後に、北朝鮮大使館の壁に謎の落書き…背後に民間団体「自由朝鮮」関与か?

  • マレーシアの北朝鮮大使館に「独裁体制打倒」の落書き
  • 壁に描かれた「自由朝鮮」「我々は立ち上がる」の意味するところは?
  • この落書きの背景に何があるのか?専門家に聞いてみた。

金正男氏殺害の“実行犯”が釈放・帰国

2017年2月、マレーシアで起きた北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件で逮捕された、元被告のシティ・アイシャさん。
家計を助けるため、出稼ぎ先のマレーシアで金正男氏の殺害に手を貸したとされている。
事件から約2年後の11日、マレーシアの首都・クアラルンプールで釈放され、母国のインドネシアに帰国した。

このことを受け、取材班はインドネシアの首都・ジャカルタからおよそ100km離れた街にある、アイシャさん一家の自宅に向かった。
話を聞くと、アイシャさんが帰宅する時間が決まればすぐにパーティーの準備をし始めるといい、親戚の女性は「もうどこにも行ってほしくない。ここで暮らす方がいい」と喜びの表情を見せた。

釈放の裏では衝撃的な事件が

一方、アイシャさん釈放の裏では衝撃的な事件が起きている。
こちらは11日朝に撮影された、クアラルンプールにある北朝鮮大使館の写真。
外壁には青いスプレーで「金正恩打倒 連帯革命」「自由朝鮮」「我々は立ち上がる」といったハングルが描かれている。

北朝鮮の金正恩体制打倒を呼びかけるメッセージと、北朝鮮の独裁体制打倒を宣言する民間団体「自由朝鮮」のロゴマークが合わせて落書きされたのだ。

地元メディアによると、この事件の犯行時刻は10日夜から11日未明までの間。
犯行グループは背の高い男4人組で野球帽をかぶり、覆面をしていたといい、地元警察が「器物損壊の疑い」で行方を追っている。

ネットでは映像も公開

この事件を巡っては、落書きされた大使館の映像が、フリージャーナリストによってネットで公開されている。映像では、落書きの一部が毛布などで隠され、大使館の関係者が撮影を止めさせようと注意する様子も映っていた。

現在は壁は全て塗り直され、落書きや青いスプレーで塗られた大使館の看板も元通りになっている。

この事件の衝撃を、北朝鮮に詳しい、龍谷大学社会学部の李相哲教授はこう分析する。

正男氏の息子を保護した団体が関与か

李教授:
非常に驚きました。今までは北朝鮮の在外公館に対して、このようなある意味“攻撃”ということはなかった。(犯行は)金正男氏の息子を保護した団体に間違いないと思う。

金正男氏の息子、キム・ハンソル氏は正男氏が殺害された後、自由朝鮮の前身団体「千里馬(チョルリマ)民防衛」が保護している。「千里馬民防衛」は3月1日、「自由朝鮮」に名称を変更しており、李教授は今回の落書きも「自由朝鮮によるアピール行為とみられる」としている

2月には、スペインの首都・マドリードにある北朝鮮大使館も暴漢に襲撃されている。
地元紙は北朝鮮大使館員の話として、犯行グループの中に韓国語を話す人たちがいたと伝えている。

李教授はこの事件も自由朝鮮と関係が可能性が高いと指摘しており、「両方とも自由朝鮮がやったとすれば、こういう事件が活発化するのでは...」と話す。

(「プライムニュース イブニング」3月12日放送分より)

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