震災から8年 進む“ハード”の復興、一方で“心”と“お金”の復興は?

カテゴリ:国内

  • 閣議決定されている「復興期間」
  • 行政と被災者の間にあるコミュニケーションの壁
  • 道路の整備、区画整理だけが復興なのか?

被災地の商店街が「復興の中で抱える問題」

2011年3月11日の東日本大震災から8年。
震災後の被災地にいくつも作られた仮設の商店街や商業施設があった。
「直撃LIVEグッディ!」では、三田友梨佳アナウンサーが岩手県・陸前高田市を取材。

仮設商店街「つどいの丘商店街」を取材してみると、被災者はある問題に直面していた。

三田友梨佳アナウンサー:
仮設の商業施設は利用期限があり、退去せざるを得なくなった事業主の方もたくさんいます。


退去後の空き店舗を見ると、中にはテーブルやイスなどが残ったまま。


三田:
2012年オープン当時は13店舗が入っていたそうなんですが、今は7店舗のみで営業しています。ほかの店舗には学習塾やエステが入っていたそうなんですが、移転したり、廃業したりするしかなかったそうです。

税金の問題、さらに市街地の方にお客さんが流れてしまってこちらにお客さんがなかなか来ない。さらに以前はこういったところには復興のイベントがあったものが、今はまったくないということで、苦悩が絶えないと話していました。
確かに街づくりは進んでいるんです。立派な建物もあるんですけど、一方でこういった仮設のところで必死で生計を立てている、そういった皆さんの苦悩があることを見過ごしてはいけないということを、強く思いました。

 
現在、つどいの丘商店街は払い下げを受け、『わいわい』というお店の店主が土地と建物の所有者となっている。
他のところで再建する余裕がなかったため所有者になったというが、現在大きな問題も抱えているという。

広瀬修一フィールドキャスター:
太田さんの話ですが、震災前にお店をオープンしたものの、震災でお店が壊れてしまいました。
これまでは仮設の「つどいの丘商店街」で営業していましたが、去年になって仮設商店街の閉鎖が決定。市から建物を無償で譲渡されることになり、太田さんはこれを受けることにしました。しかし、これを無償譲渡されると約800万円の税金がかかるということが後から判明。被災前の2009年の段階での借金1000万円も併せて、非常に苦しい状況になってしまう。
市側に税金の話を聞きますと、事前に説明はしているということなんです。仮設は一時的な場所なので、本来は新しい場所で営業してもらうことが望ましいということなんです。

考えていくべき“人の復興”とは

このような問題に直面した背景にあるのは…


広瀬:
政府が閣議決定した復興期間というものがあるのですが、2021年の3月末までの10年間だということなんです。今まで様々な支援制度がありましたが、打ち切りへ向かっていくということも考えられ、これが今の被災地の方々にマッチしているのかどうかということがあるのかもしれません。

山村武彦氏(防災システム研究所所長):
(太田さんのケースは)コミュニケーションができていなかったんじゃないかなって気がしますね。市の方でもこういうことを含めて、住民とのコミュニケーションをしっかりやるべきですよね。
被災者に昨年インタビューに行った時に、みなさん「まだ8年なのか」という人が多いんですね。それは復興というイメージがまだ湧いてこないと、まだずっと震災直後のような気持ちを持っていらっしゃる方が随分おられます。ハードの復興ができているかもしれないけど、人の復興はどうなんだろう。人の心の復興はどうなのか。それをもう一度見直す必要があると思いますね。

西園寺薫(元LEON総編集長):
私の親戚、友人、知人…被災地にたくさんいますので、しょっちゅう話も聞くし行くんですけども。未曽有の大災害といわれている割には、国や行政が被災者や住民に何も寄り添ってくれないんだよ、というのはよく聞きます。未曽有の大災害で、経験のないことを復興していくわけだから国や行政が杓子定規で決めたことを臨機応変に変えていってくれないと…住民はそれで苦しんでいるって言ってました。
心のケア、住民に寄り添うこと、これから本当に大事になっていくんだなって思います。

三田:
ここ陸前高田に来て、市街地に行きますと、道路が綺麗に整備されていました。立派な建物も立ち並んで、大型商業施設もオープンし、住民の生活の再建そして軌道に乗っている生活、そういった現状も確かに見えます。
ただ一方で、そういった町づくりが進んでいるところにお店を出すのにも資金が必要です。住まいを構えることも簡単ではありません。見た目では復興は進んでいるように見えても、ここ陸前高田の皆さんの生活が完全に戻りつつあるのかと言えば、そこには疑問が残りました。本当の意味での復興にはまだまだ時間がかかるということをこちらに来て感じました。
2021年までの復興期間、10年という数字に区切りはありますが、震災が与える精神的な影響、金銭的な影響には区切りはつけるべきではない、つけられないものではないかなと私はこちらに来て思っています。この震災はまだまだ終わっていない。それを、こちらからお伝えしたいです。

安藤:
本当にそうですね。区切りは被災された方がおつけになるものであって、上からここで終わりということは言えないはずですよね。心の復興はまだまだ道半ばと言えそうです。


(「直撃LIVE グッディ!」3月11日放送分より)

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