“牛の飼育も禁止” アメリカ民主党は共産主義?! 「#Never Socialist」ステッカーを売り出した共和党の思惑

カテゴリ:ワールド

  • 共和党側が「#社会主義者絶対反対」のバンパーステッカーを発売
  • 民主党は中間選挙で当選した新人議員の左バネに振り回されている
  • 「アメリカ・ファースト」のスローガンを超えるのか・・・?

「#社会主義者絶対反対」ステッカー

米国の選挙戦では候補者の名前や主張、相手候補をけなすメッセージを自動車に貼るバンパーステッカーが活躍するが、来年の米大統領選へ向けて共和党側から「#社会主義者絶対反対(#NEVERSOCIALIST)」というバンパーステッカーが売り出された。

このバンパーステッカーの登場で、共和党は今回の選挙で民主党の社会主義化を狙い撃ちにすることが明確になってきた。

というのも、これまで民主党側から出馬を表明した候補者のいずれもが党内でも左派として知られるだけでなく、その主張を競うあまり過激な左派的な公約を次々と打ち出しているからだ

有力候補者、それぞれの訴え

現在有力視されている候補者の訴えはこうだ。

エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)

エリザベス・ウォーレン上院議員

国民皆保険、 保育無料化、大学授業料無償化、富裕税の新設、アマゾンやフェイスブックなどの巨大企業の解体。

カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)

カマラ・ハリス上院議員

最低時給を15ドル(約1650円)に、国民皆保険、メキシコとの国境に壁建設反対、環境保護の推進、銃規制強化などの他「売春を合法化する」と先月末に言明している。

コーリー・ブーカー上院議員(ニュージャージー州選出

コーリー・ブーカー上院議員

赤ちゃんが生まれると政府が1000ドル(約11万円)を出して運用し18歳になったら現金化できる「赤ちゃん債券」を新設する。大麻の合法化。

バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)

バーニー・サンダース上院議員

公立大学の授業料無料化、ウォール街への課税強化、銃器メーカーの銃犯罪への責任強化、化石燃料補助金の廃止、二酸化炭素税の新設、富裕層の最高税率52%に。

アレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州選出)

アレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員

加えて民主党では、アレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州選出)が党の左傾化に拍車をかけている。

同下院議員は昨年の中間選挙で初当選した新人議員で29歳と若く大統領選出馬の資格(35歳)はないが、自ら「社会主義者」を名乗って活動しすでに通称AOCと呼ばれるほど有名な存在になっている

全員が賛成する「グリーン・ニューディール」法案

そのAOC下院議員は先月「グリーン・ニューディール」法案を提出した。環境問題の「グリーン」と、かつてルーズベルト大統領が大不況を脱出させた「ニューディール政策」の名前を借りたもので、地球温暖化防止のために10年内に化石燃料の全廃や電気自動車の利用促進、全建築物のエネルギー効果の向上などをうたっている。

さらに、法案と共にAOC事務所が発表したFAQ(補足説明)には飛行機の運航を禁止したり、牛のおならが二酸化炭素汚染の原因だと牛の飼育を禁止する一方で「仕事ができない者、仕事がしたくない者にも経済的保証を与える」という最低限所得保障の考えも盛り込まれていた。

「これは共産主義だ!」

共和党側こう批判したが、ウォーレン上院議員など民主党の立候補者全員がこの「グリーン・ニューディール」に賛同する意思表示をしたのだ。

AOC下院議員だけではない。やはり新人でイスラム教徒のイルハン・オマル下院議員(ミネソタ州選出)が反ユダヤ的なツィートをして下院で懲罰決議案が出たときも、民主党の立候補者全員がオマル議員を擁護して決議案を骨抜きにしてしまった。

米国の民主党は今、中間選挙で当選した新人議員の左バネに振り回されているとも言える。共和党側はそれを狙って「社会主義絶対反対」のスローガンを打ち出したわけだが、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト(米国第一)」のような効果が期待できるだろうか。

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【イラスト:さいとうひさし】

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