「アポ電」もこれで防げる? あなたの“詐欺への抵抗力”が診断できる

カテゴリ:暮らし

  • 詐欺への抵抗力を診断するアプリが開発された
  • 約80の質問によって特殊詐欺に対する抵抗力を診断
  • 約100人の高齢者を診断したところ「危険」は1人のみ

“詐欺に弱いかどうか”を診断するアプリ

東京都江東区のマンションで80歳の女性が手足を縛られ、遺体で見つかった事件。
女性の元には、事前に資産状況などを尋ねる「アポ電」と呼ばれる不審な電話があったことが分かっている。

今年に入り、渋谷区でも「アポ電」がきっかけとなった強盗が2件発生。手口がよく似ており、警視庁は同一犯の疑いがあるとみている。

こうした中、秋田県立大などの研究チームが、高齢者の詐欺への抵抗力を診断するウェブアプリ「わたなべ教授のサギ抵抗力しんだ~ん」を開発した。

これは、約80の質問に答えると、「オレオレ詐欺」、「還付金詐欺」、「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」といった4種類の特殊詐欺に対する抵抗力を診断し、詐欺に遭わないための注意点などのアドバイスを示してくれるもの。
パソコン、スマートフォン、タブレット端末のいずれにも対応していて、無料で利用できる。

特殊詐欺の手口が進化する中、本人だけでなく家族にも防衛策として試してほしいと思うが、どういった内容なのか?そして、かかりやすいタイプと診断されたらどうすればいいのか?
開発に携わった、一般社団法人「シニア消費者見守り倶楽部」の代表理事、岩田美奈子さんに話を聞いた。

セルフディフェンス力を高めることが重要

――このアプリを開発した理由は?

高齢者の振り込め詐欺などの被害防止には、個々人のセルフディフェンス力を高めることが重要であると考え、そのための振り込め詐欺の抵抗力の判定を行うツールとして開発しました。

自己診断することで、防止に向けた意識を高め、自衛策の一助になればと考えております。


――どのようにして抵抗力を診断する?

「デモグラフィック項目」、「視力と聴力」、「心理特性」、「詐欺シナリオ」に関する質問に回答することによって、詐欺に対する抵抗力が4種類の特殊詐欺ごとに表示されます。

診断結果は、「危険」「注意」「安心」の3段階です。

――たとえば、どのような人に対して、どのようなアドバイスをしてくれる?

どのような診断結果が出た人に対しても、アプリでは診断結果に応じたアドバイスを表示します。
診断結果に応じて5段階の大まかなアドバイスを表示した後に、より細かなアドバイスを表示するようになっています。

実際に筆者が約80の質問に答えたところ、4種類の詐欺の全てで「安心」と診断され、このようなアドバイスが表示された。

約100人の高齢者を診断したところ「危険」は1人のみ

実際にこのアプリを利用した高齢者は、「危険」「注意」「安心」のうち、どの診断をされた人が多いのだろうか?
アプリの開発に携わり、アプリのタイトルにもなっている秋田県立大総合科学教育研究センターの渡辺諭教授に聞いてみた。

――現時点で「危険」「注意」「安心」のうち、どの診断をされた人が多い?

2月21日に青森市で44名、28日に秋田市で63名の高齢者に回答をしていただき、詐欺抵抗力(0~100点)を算出し、4種類の特殊詐欺ごとにグラフにしたのがこちらです。

詐欺抵抗力が0~50点が「危険(=赤)」で、51~90点が「注意(=黄色)」で、91~100点が「安心(=緑)」のバーで表示されていますが、ほとんどの方は「安心」、少数の方が「注意」で、1名が「危険」になっております。

普通に答えれば「安心」になるように質問を設定していますので、「注意」や「危険」の人は注意する必要があります。

青森市
秋田市

――こうした回答のデータをどのように活用していく予定?

今後、「注意」や「危険」と診断された方の回答を分析して、騙されてしまう理由を明らかにしていきたいと考えています。

また、何らかの方法で回答をなさった方にアプローチが可能であれば、診断結果に基づいて、詐欺被害に遭わないためにカウンセリングのようなことを行うこともできるのではないかと思っています。


注意喚起されてもなお、特殊詐欺の被害が減らない中、「わたなべ教授のサギ抵抗力しんだ~ん」を利用して自分が詐欺にひっかかりやすいタイプか知っておくことは大事だろう。
秋田県立大総合科学教育研究センターの渡辺諭教授は、将来的には、ひとりひとりで異なった詐欺対応策、言わば“オーダーメードの詐欺対策”が可能となるのではないか、とも話していた。