「今は子供を見ると可愛いって思う」3歳児放置の容疑者も…相談相手はネットだけ? 深夜に書き込む母たちの“孤独”

  • ネット情報に頼り、娘のやけどにラップを巻いた母親…子どもへの愛情が伺える投稿をしていた
  • 子育てに関する情報をネットから得ている親は6割以上。孤立しがちな母親らが集うサイトも
  • 「誰かがアドバイスをくれて、一人じゃないと思える」育児の不安や不満を共有

「今は子供を見ると可愛いって思う」

「親になる前はその辺にいる子供の事うるせーガキ共可愛くねぇなって思ってたけど、今うるさい子供とか泣いてる子供見ると可愛いって思うし、赤ちゃん見ると抱っこしたくなる」

子どもに抱く愛情をつづったツイート。書いたとみられるのは、重いやけどを負った3歳の長女を放置した疑いが持たれている母親の橋本佳歩容疑者(22)だ。

橋本佳歩容疑者

そういえば息子が「ママ!目が落ちてるよ!」って言いながら何か持って来たから見たら、私が疲れすぎてその辺に外して置いといたカラコンだったwww
(橋本容疑者のものとみられるツイート)

同居人の田中聡容疑者(21)とともに、保護責任者遺棄の容疑で逮捕された橋本容疑者は、「シャワーを浴びた際に誤って熱湯をかけてしまった」と話し、その理由を「やけどをしたらラップを巻けばいいとネットで調べた」と供述している。
娘を病院に連れていくことなく、インターネットで調べた知識だけで手当てしていたというのだ。

その短絡的な行動に、教育評論家の尾木直樹さんは、「ラップ巻いておけって書いてあるのだけを見て、その容疑者はやってしまったと思う。思考力が幼稚だと思います。だから、社会がケアしていくより仕方ないんですよ」といい、さらに、佳歩容疑者がとった行動について、育児情報をネットに依存しがちな若い母親たちの傾向を示していると指摘する。

教育評論家・尾木直樹さん

尾木直樹さん:
地域とか、いわゆる大家族制度の中で、(子育て支援の)機能を持っていたんです、地域が。
それが今、すっかりなくなってしまいました。孤立しちゃってるから、みんなネットに頼るようになるでしょ。


昨年、約900人の親たちを対象に行った調査でも、子育てに関する情報をネットから得ているという回答が6割を超えた。
子育て中の女性に、どのような情報をネットで得ているのかを話を聞くと、次のような答えが返ってきた。

 「(子どもが)急に熱を出した時とか、頭をぶつけた時とか。すぐに病院に行くべきか、否か」
「働くお母さんが、どういうふうに子育て時の生活リズムを整えてるのかなと」

そんな孤立しがちな若い母親たちが、夜な夜な集うサイトがあった。午前0時から明け方5時まで、親たちがつぶやき合うネット空間「深夜かけこみ部屋」だ。

毎晩700人が駆け込み…求められる子育て支援の充実

チャットで交わされるのは、ママたちがため込んださまざまな不満や不安。

「子供、お目目パッチリになっちゃって寝る気配無い…」「旦那。言われんでもオムツくらい替えろ」「寝かしつけ毎日格闘してます。ギャン泣きされると精神的にきます」など、毎日、700人ほどの人が駆け込んでくるという。

「深夜かけこみ部屋」のチャット画面

「深夜かけこみ部屋」運営会社で広報を担当する彦坂真依子さんは、「(ユーザーは)軽くポンっと吐露することで気持ちが落ち着いたのか、(その後)割と育児が充実していらっしゃるというコメントがあります」という。

チャットでは、7日未明にも子どもの体調に関するやり取りがなされていた。

A:
なんか、今週は息子の体調のことで心配すること多くて、こっちが倒れそう。(0:39)

B:
心配なら小児科に電話してみます? こんなことがあったんですけど受診した方がいいですかって。(0:47)

A:
電話で相談って手がありましたね!!症状特に出てないし、こんなことで受診したら恥ずかしいかなって勝手に思ってモヤモヤしてました。(0:54)

チャットに参加したことのある母親からは、「困った時につぶやくと誰かがアドバイスをくれる」「一人じゃないって思える」といった声が寄せられたという。

倉田大誠キャスター:
教育評論家の尾木直樹先生は、母親が孤立しがちな現代だからこそ、親になることはどういうことなのか、緊急時にはどのように対処すべきなのか、親に対する親のための教育というものの必要性を説いています。
インターネットは便利な側面がありますが、人間同士が直接向き合える環境作りも必要です。
児童虐待の根幹を突き止める意味でも、親をいかにして守り助けていくのかが大きな課題だと思います。


孤立した母親たちの声に、いま社会全体が耳を傾ける必要がありそうだ。

(「プライムニュース イブニング」3月7日放送分より)

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