被災者の心に寄り添いながら…「頑張れとは言わない」ヒップホップ歌手の思い【岩手発】

  • 東日本大震災被災者の心に寄り添うヒップホップ歌手
  • 歌を聞いて「嫌な思いする人が…」様々な葛藤も
  • 「忘れないでもらうために歌うことはできる」

大震災から間もなく8年…ヒップホップ歌手再始動

2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく8年…。
今年ソロとして新たなスタートを切った岩手・大船渡市出身のアーティスト「LAWBLOW」の菅原盾さん。震災後、被災者の心に寄り添いながら歌い続けてきた菅原さんの思いとは…

いつかあの日の生活に戻りたいという被災者の願いが込められたLAWBLOWの代表作「家に帰ろう」。この歌を歌っていたLAWBLOWの一人、菅原盾さんは、今年からソロで活動をしている。

菅原盾さん:
オレは変わらない。でもいい意味でよく変わっていかなきゃならないと思っています。

「オレは変わらない」と話す菅原盾さん

LAWBLOWは、もともと菅原さん・Stockさんの二人で活動し、全国各地のライブで幅広い年齢層から支持を得てきた。
ともに大船渡市出身で、2011年の震災では、二人とも津波を目の当たりにし仕事を失った。
震災後、菅原さんは1年間ボランティアと音楽活動をしていたという。

菅原盾さん(2011年当時のインタビュー):
復興のビジョンってあるじゃないですか、この街の何年後の予想がつかない。

(2011年当時のインタビュー)

LAWBLOWは、震災後、被災者の気持ちを飾ることなく真っすぐな言葉で歌にし、全国各地で共感を得てきた。
しかし、去年の暮れLAWBLOWに大きな転機が…。
STOCKさんが自身の新たな可能性を求めて脱退することに。菅原さんは一人で続けるか、解散するか悩んだという。

新たな一歩…ラブソング制作へ

菅原盾さん:
一番最初はLAWBLOWをやめようかなと思いました。ただ時間が経つごとに一人でも続けようと思いました。もともと自分で作ったものだから、歌い続けていきたいなと。

続けることを決めた菅原さんは新たな一歩を踏み出した。
それは、ラブソングを作ること。

菅原盾さん:
偽りのない愛の歌というか、今の自分が思っていることをそのまま書いた感じです。

メロディーはすでに完成していて、あとは歌のレコーディングを残すのみ。新曲を待つファンのために少しでもいいものをと制作の日々が続く。

そして…
2月、菅原さんはソロで歌う初めてのステージに立った。
故郷での再出発のステージで、集まってくれた人たちのために全力で歌った。

♪「頑張れとは言わないけど、頑張るなとも言えないよ」(バンガレ!より)

「嫌な思いする人が…」様々な葛藤も

この8年間、被災地出身のミュージシャンとして様々な葛藤もあったという菅原さん。

菅原盾さん:
これ(歌)を聞いて嫌な思いする人がいるんじゃないかな、という悩みというか葛藤があって、しばらくすると震災の歌をいつまで歌っていいのかなという葛藤がありました。

なかでも、葛藤を乗り越え大事にしている曲、それが「believe」だ。

♪「ここに君がいない日でも、ちゃんと君に届くように、僕が歌うよ、君を歌うよ」(Believeより)

「忘れないでもらうために歌うことはできる」

宮城から来た観客:
新体制なんですけど、大好きで大好きでそれだけで見に来たんですけど、これからもついていこうと思いました。

宮城から来た観客:
前向きになれるような歌詞で聞いていて、これからもがんばっていこうという気持ちになれました。

菅原さんの温かいメッセージは、観客一人一人の心に届いていた。

菅原盾さん:
後押しってまではできなくても、忘れないでもらうために歌うことはできる。

この8年、被災者に寄り添って来たLAWBLOW。これからも変わらずに被災者のために全国各地で歌い続ける。

(岩手めんこいテレビ)

FNNプライムオンラインでも同時配信予定

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