ブランド牛の復活へ…原発事故で避難した和牛繁殖農家が再スタート【福島発】

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  • 「やっと再スタート」福島の和牛繁殖農家の思い
  • 牛の安全性が確認され唯一の「放牧飼育」
  • 「名実ともに“牛の村”だって言われるように」

「やる気満々」ブランド牛復活にかける和牛繁殖農家

2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく8年…。
原発事故の前は県内有数の和牛の産地だった福島・飯舘村で、ブランド牛の復活にむけて本格的なスタートを切った農家がいる。

飯舘村の山田猛史さんは、新たに整備した牛舎で12頭の牛を飼育している。およそ50年、繁殖農家として牛に愛情を注いできた。

山田猛史さん:
自分の娘の名前にしたりっていう人もいるよ、女房の名前にしたり。ははは(笑)。洋子1号だの2号だの。

試験的に故郷で飼育を再開して3年目、今年に入って初めての子牛も誕生した。

山田猛史さん:
やっと再スタートにつけたかなって感じでやる気満々ですね。

原発事故後、牛を連れて避難した山田さん。今は福島市飯野町を拠点に村に通いながら飼育を続けている。息子と一緒に山田さんが目指すのは、「飯舘牛」のブランド復活

山田猛史さん:
飯舘牛は、かつてはブランド牛だったんだけれども、もう飯舘牛を飼育する人が誰もいなくなったから、今のところは完全に飯舘牛できない状態だけれども。

飯舘村では避難指示の解除をうけて、9軒の農家が牛の飼育を再開。

牛の安全性が確認され「放牧飼育」

そのなかで山田さんだけが取り組んでいるのが牛の放牧だ。

山田猛史さん:
余しているような農地に草を蒔いて放牧したり、草刈ったりして牛飼いをすればいいんじゃねえかなと思うんだ。

放牧飼育されている牛

おととしから始まった除染後の水田や畑を利用した実証試験。牛を放牧した場合の放射性物質の影響を調べた。その結果、牛の安全性が確認され、今年の春から本格的な放牧ができるようになった。

「名実ともに“牛の村”だって言われるように」

山田猛史さん:
迷っている後継者もなかにはいるはずだから、そういう人が親父たちがやれるんだから、私もやってできるかなっていう人が増えてくるのではないかと思うんです。

今後はもっと広い牧草地を整備する計画の山田さん。4月には80頭の飼育ができる牛舎も新たに完成する。

山田猛史さん:
広い農地を生かすには、畜産しかないんじゃないかなと思うので、名実ともに“牛の村”だって言われるような、そういうような飯舘の農業にしたいなと思ってます。

高い品質が求められるブランド牛の復活は、そう簡単ではない。それでも繁殖から肥育、販売までを飯舘村で手がけたい…。本格的な再スタートをきった山田さんの夢は膨らみ続ける。

(福島テレビ)

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