JAL「バーチャル先輩社員」が質問に答えます!LINEチャットボット公開で“就活”は変わる?

カテゴリ:ビジネス

  • 入社3年目、天王洲勤務のバーチャル先輩が質問に答える
  • 知り合い社員がいなくてもOB・OG訪問体験が可能
  • 面白い返答をする“隠しコマンド”を教えてもらった

来年春に大学を卒業する学生の「就職活動」が本格的に始まった。
今回の就活は、会社説明会が3月1日に解禁され、選考や面接は6月からという経団連が定めたいわゆる「就活ルール」で行われる最後の機会。
政府は、学生が不安を抱かないよう、来年も引き続き、会社説明会の解禁を3月1日にするとしているが、
企業が就職活動を前倒しにする動きは、今後加速していきそうではある。

就活は今まさに変化の大波の最中にあるが、新たな就活スタイルを打ち出す企業が現れた。

日本航空は解禁日にあたる3月1日に「先輩社員にチャット上で気軽にOB・OG訪問を行える」というコンセプトで、AIを活用したLINEアカウントを開設。既存の公式アカウントとは別で、新卒採用エントリーページで公表している。
つまり、チャットボットで、あなたの疑問にバーチャルな先輩社員が24時間いつでもスマホのLINEで答えてくれるというサービスだ。

返答のバリエーションは豊か

バーチャルの先輩社員は「JALで働くAI社員」という肩書の「AIまるこ」さん。
アイコン画像をよく見ると、自社のロゴ画像を全面表示にしたPCのキーボードを打つという謎の業務にいそしんでいるようだ。

それはともかく、今回の実証実験は「業務企画職」ということだが、質問に対する返答のバリエーションは非常に豊か。

Q.空港で働くことってありますか?
AIまるこ:空港で働くこともあるよ!私は空港と飛行機が好きなんだ

Q.仕事のやりがい教えてください
AIまるこ:国内線の路線で仕事をしている先輩は、路線を通じた地域活性化に直結することがやりがいだって。

その他にも、実際のOB・OG訪問でも使われそうな質問の「勤務時間は?」「転勤はある?」「女性の管理職は何人いる?」などに的確に答えるのはもちろん、「結婚している?」といったプライベートなこともちょっとだけ教えてくれる。
ただし、「飛行機の優位性」を聞いたのに「私はB787やB777が好きかな」と好きな航空機を答えてしまうなど若干変なところはあるが、まあそういう人なのかもしれない。

日本航空は「このようなコンセプトの対話型AIチャットボットは国内初」としているが、そもそもなぜOB・OG訪問をAI化したのだろうか?
また、面白い返答をしてくれる隠しコマンドみたいなものはないのか?担当者に聞いてみた。

バーチャル先輩は天王洲ビル勤務(の設定)です

――「AIまるこ」さんってどんな人?

業務企画職で天王洲ビルに勤務する、明るく温和な性格の、入社3年目の若手社員です。
出身大学と名前の理由は非公開とさせていただいています。


――なぜ就活にAIチャットボットを活用しようと思った?

既存のコミュニケーションチャネルでは、「業務企画職」の業務内容について深く理解していただくことが難しかったために取り組みました。
説明会に来たり、OB・OG訪問をしなくても、JALに関する質問ができたり、対話ができるようになることで、広く学生の皆さまに知っていただくことを期待しています。


業務企画職」について、早速「AIまるこ」先輩に質問してみると、ほぼ待つことなく事務系、数理・IT系、技術系があることや、数理・IT系はビッグデータなどを使った仕事をすると教えてくれた。
続いて、チャットボット導入のデメリットについても聞いてみた。


「AIまるこ」先輩に「業務企画職」のことを聞くと、事務系、数理・IT系、技術系があると教えてくれる。

――リアルのOB・OG訪問と比べたメリット・デメリットは?

メリットとしては、いつでもどこでも、疑問に思ったことを投げかけることができることです。
また、社員に知り合いがいなくても、OB・OG訪問のような体験ができるようになります。
デメリットとしては、深い説明ができないことと考えています。
しかし将来的には、意図をより深く感じ取ったり、複数の話題を並行して話したりできるようにすることで、徐々にデメリットを小さくしていきたいと思っています。


――日本航空は「このようなコンセプトの対話型AIチャットボットは国内初」としているが、どういうこと?

「業務効率化」を主としたチャットボットの導入事例はありましたが、社員への質問・業務理解を主としたOB・OG訪問型というのは国内初です。

隠しコマンドは?「あります!」

――AI技術はどう使われている?

AIは自然言語処理に活用しています。
例えば「エントリーシート」のことを「ES」と言ったり、ひらがなやローマ字で書いてしまったりすることもあるかと思いますが、その揺らぎを吸収しています。
また、「こんにちは」や「元気?」など雑談を投げかけられた際は、gooなどのサービスで構築されたログから最適な答えを導き出すことも行っています。


――どんな仕組みで回答するの?

各利用者が発話すると、その内容をAIエンジンが解釈し(揺らぎもここで吸収)、最適な回答を登録された内容から導き出して返答します。
登録した回答数は3000問ほどです。


――登録しなかった回答はある? またその理由は?

OB訪問では経験談で話せますが「選考内容」など対外的に公開していないものは返答しません。
また「キャリアパス(昇進への順序)」は一例としては出せますが、決まったものはないので明確な返答はありません。

キャリアパスを聞いてみると「年次による」と返答

――「退職理由で多いのは?」と聞くと「退職については勉強中なんだ」と答えているが、今後、返答が変わることはある?

学習内容によっては変化することもあります。

――裏ワザみたいな隠しコマンドはある?

隠し機能的に、「お」や「き」など一文字を打つとJALフィロソフィ(JAL社員の行動指針)が出てきます。
今後この内容も拡充する予定です。

「ん」などフィロソフィにない言葉を聞くと変な答えが返ってくる

――チャットの内容はモニターしてる? その結果を採用の参考にするのでは?

回答内容と学生の質問の意図があっているかモニターし、合っていなければ学習させる作業を繰り返しています。
採用選考では使用することはありません。


日本航空は、このLINEアカウントによって想定以上の会話が生まれていると分析している。
予定では6月30日まで公開し、コミュニケーションチャネルとして成立するかを調査したうえで今後本格導入するかを検討するという。