“そこ”取れていいの!? 旭山動物園のペンギンの衝撃生態に「初耳です」

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  • ペンギンの「そこ」 がポロリと取れる…衝撃情報が話題
  • 実は1年に1度というハイペースで取れている「そこ」
  • では、「そこ」は何のためにある? 動物園に聞いてみた

チャームポイントもたまには取れる…

動物たちの日常が間近で楽しめる、動物園。
北海道の旭川市 旭山動物園ではこの時期、ペンギンたちが雪の中を列になって歩く「ペンギンの散歩」が人気プログラムのひとつとなっているが、そんな“癒し系”のペンギンたちに関する驚愕の情報が、旭山動物園の公式Twitter(@asahiyamazoo1)から発信された。



「キングペンギンのくちばしのオレンジ色の部分は、1年に1回はがれます。コントラストが鮮やかですね!」

投稿されたのは、くすんだ赤色のヘラ状の物体。
なんと、これが「はがれ落ちたペンギンのくちばしのオレンジ色の部分」なのだという。

わかりやすくビフォー・アフターの書き込まれた写真も同時に投稿されているが、それを見ると確かにくちばしの赤っぽく見える部分が、鮮やかなオレンジ色に変わっているのがわかる。
てっきり、このオレンジ色の部分は模様だと思っていたのだが、どうやら生え変わりがある部位のようだ。

さらに意外なのは「1年に1度はがれる」というそのハイペースさ。
ペンギンは犬や猫のように毎日見かける動物ではないとはいえ、Twitter上では「そんなの見たことない…」の声が多数挙がり、中には「ペンギン好きだけど初耳です」の声も寄せられた。

さらに、その不思議なビジュアルに「からすみにしか見えない」「カニの脚だ」「ニンジン…」と混乱する人も続出。
確かに、ペンギンたちに「これ誰が落としたの?」と聞いているかのような写真も、一見エサやりをしているようで、とても「はがれたくちばし」を持っているとは思えない。

投稿から2日経った3月7日現在、6万件にせまる「いいね」がつき3万件を超えるリツイートで拡散されているこの衝撃情報。
「くちばしって取れるんだ…」というシンプルな驚きが大きいが、一体なぜそんな体のつくりになっているのだろうか?
チャームポイントにも思えるオレンジ色のくちばしについて、さっそく旭山動物園にお話を聞いてみた。

オレンジ色の部分は「角質のようなもの」

――オレンジ色の部分は何のためにある?なぜはがれる?

本園では「プレート」と呼んでいますが,「装飾片」とも呼ばれているようです。
換羽期にはがれますが、その後に繁殖期があるため、パートナーを選ぶ際にきれいな色の方が健康的に見える、など、繁殖時に有効なものと考えられています。


――はがれるときは痛くない?新品のくちばしはデリケート?

人間で言うと角質のイメージで、新たなプレートが形成され、古くなった部分がとれるようなしくみです。そのため、はがれた後が弱い・脆いということはありません。

くちばしがオレンジ色になる前の、モコモコのヒナもかわいいキングペンギン(イメージ)

くちばしのオレンジ色の部分は、「プレート」や「装飾片」と呼ばれる部位。
オス・メスともに持つこのプレートは皮膚の角質のような仕組みになっていて、古くなったものが1年に1度ポロリとはがれて新しいプレートに入れ替わる、というサイクルになっているのだという。
はがれる時期がちょうど繁殖期にあたるため、鮮やかなオレンジ色をしたプレートを見せることで、自分をアピールしていると考えられているという。

新しいくちばしはプヨプヨしていそう…」という声も挙がっていたが、新しいプレートはすでに硬く完成されたもので、特別デリケートなものではないそう。
ゴッソリはがれ落ちたそのビジュアルに、一瞬「大丈夫なの!?」と驚いてしまったが、一安心だ。

――これはキングペンギンだけの特徴?

キングペンギンとコウテイペンギン(この2種はエンペラーペンギン属と呼ばれています)のみ見られます。


写真に登場した「キングペンギン(オウサマペンギン)」は、体長85~95cmほどの大型のペンギン。
大型のペンギンというと「エンペラーペンギン(コウテイペンギン)」を思い浮かべるだろうが、この2種類はともに「エンペラーペンギン属」に属していて、くちばしにプレートを持つこの2種類だけに、1年に1度はがれ落ちる現象があるのだそう。

エンペラーペンギン(イメージ)

動物園では「ごく普通のことです」

――はがれたプレートを発見できたのは珍しいこと?

新しいプレートに変わること自体は、園の飼育スタッフにとっては毎年起こることなので「当たり前」のことです。
しかし、一般の方は常連の方でしたら気づいている方もいるかと思いますが、毎日・毎週観察していないと判断は難しいと思います(換羽後すぐ見たときに色がキレイだと感じる方はいるかも)。
ちなみに、落ちる瞬間は飼育スタッフでもほとんど見たことはありません。


――ちなみに、写真のくちばしは今どうなっている?

今回、かなりきれいな形で発見できたので保存しておりますが、過去のものは処分しています。

衝撃の情報…だったのだが、実は動物園的には「ごく日常的なこと」だそうで、投稿への反響に非常に驚いているということ。
普段は発見してもそのまま捨ててしまうということだったが、今回は「かなりきれいな形」だったため保存しているという。

しかし、3月7日に投稿された追記では「飼育担当者のコレクションです」とその様子も公開されたが、大量のプレートが詰め込まれたビジュアルは、やはり我々からすると「衝撃」のひとこと。
動物たちのミステリーを突き付けられた。

大量のくちばしたち…(旭川市旭山動物園公式Twitter(@asahiyamazoo1)より)

――大きな反響がありましたが…

飼育スタッフとしては「当たり前」のことと思っていたのですが、このような反響をいただいたため、大変驚いております。改めてこのような動物たちの「当たり前」を伝えることが本園の魅力だと考えておりますので、今後も情報発信していこうと思っております。


まだまだ知らないことだらけの、動物たちの日常風景。
次はどんな衝撃情報が飛び出すか楽しみだ。

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