海外メディアからも取材殺到!アリババの生鮮食品スーパーで“カクカク動く”ロボットが話題

カテゴリ:ワールド

  • 中国でアリババ・グループが出資する画期的な生鮮食品スーパー
  • スーパーのイートイン・コーナーでロボットが配膳
  • 実際に体験!無人サービスの意外な満足度とは?

アリババ・グループが展開するニューリテール

アリババ・グループが出資をする生鮮食品スーパー「盒馬生鮮(フーマーシィエンショォン)」。今後数年で、中国全土に2,000店舗の出店を目指している。

盒馬生鮮(フーマーシィエンショォン)

日本のスーパーとは、2つの点で大きく異なる。

1点目は、アプリによる宅配サービス。

注文が入ると店員が商品をピックアップして袋詰めし、天井の配送レーンを商品が通り、店の裏側でスタンバイする配達員に受け渡される。

天井の配送レーン

2点目は、生鮮食材(主に魚介類)をその場で調理してくれるイートインスペース。

市場などで水槽に入っている好きな魚介を選んで購入し、その場で調理してもらうイメージだ。

既に宅配(スマホ注文)の売上は全体の50%以上で、単位面積あたりの売上は既存スーパーの3.7倍を超えており、生鮮食品はその日のうちに売り切りを実現。これまで蓄積されたユーザーの購買データが、精緻な予測を可能にしている。

生鮮食品スーパーがロボットレストランに

今回訪れたのは、上海嘉定区南翔の盒馬鮮生(フーマーシィエンショォン/Hema)上海南翔店。イートインコーナーに「ROBOT.HE 機器人餐庁」と呼ばれるロボットレストランが併設されている。

この業態は世界からハイテクレストランと呼ばれており、歌舞伎町のロボットレストランとは全く異なるものだ。

それでは、筆者のイートイン体験をレポートしたい。

水槽から魚介を選択

まず、水槽や陳列されている魚介類から好きなものを選び、店員さんに袋に入れてもらう。

レジで味付けなどを選択

今回は白味魚を、味付けは酢の煮付けで、レジでイートインをオーダー。

QRコードでアプリと連携

席に座りQRコードを読み込むと、専用アプリと連携し、注文した商品とテーブル番号の紐付けが行われる。

アプリで注文内容と席を管理

席横にあるディスプレイでは、頼んだ魚が現在どの調理段階かを教えてくれる。

テーブル席のディスプレイ

料理を待っていると、他にも注文してみたくなったので、再びテーブルのQRコードを読み込んで、メニューをチェック。

レジに戻ることなく追加注文が出来る。

同行者と各々のアプリでメニューを閲覧。何を頼もうか話し合いながらメニューを選択していくと、それぞれのアプリにリアルタイムで金額が加算されていく。これは、日本ではあまり見たことのないUX(ユーザー体験)ではないだろうか。(下記動画、画面一番下の合計金額が変化)

決済はアリペイのみ。この日、魚を含む5品を注文、全部で78.9元(日本円で約1,262円)だった。

いよいよ配膳ロボット登場

配膳ロボット

この日ロボットは全部で20台ほど稼働していた。

ディスプレイに現在地を表示

テーブルのディスプレイには、自分たちの現在地が、黄色の「我」と書かれた吹き出しで表示される。

調理室付近でスタンバイする配膳ロボットたちは、商品を載せられるとカクカクと動き出す。向きを変える時の動きがなんとも可愛らしい。

レーン1本に対し両側にテーブルがあるので、タイミング次第ではロボット同士がぶつかってしまうのではとハラハラしたが、見事にシステムでコントロールされていた。

左側レーン用に配膳するロボットかと思いきや、、、

直前で回転して、右側に来てくれました。

床のコードで動きを制御

配膳ロボットは、レーン床にあるQRコードのようなものを読み込み、前後左右、回転などの動きをコントロールしているようである。

効率だけではなく、楽しい店内

お店には、祖父母と孫、近隣で働く同僚たち、友人同士の女性グループなどのお客さんがいて、配膳ロボットのおかげで、オペレーションが効率化されるだけではなく、店内には楽しげな雰囲気がある。

中国では共働きが普通で、子どもを保育園などに預けている家庭が多いうえに、近年ベビーシッターの価格が高騰しており、祖父母が手を貸している状況である。

そんな中で筆者が目にしたROBOT.HE 機器人餐庁での光景は、スイスイ、時々少しだけカクカクと動く配膳ロボットに反応する3歳くらいの男の子と、それを楽しげに見守る祖父母の姿だった。

個人データを渡して、効率を得る

中国では、無人レジ、キャッシュレス払い、配膳ロボットなど、オペレーションを機械に任せたり、もしくはユーザー自身で操作することで、コストを削減している。

日本と異なるのは、ユーザーが購買データなどの個人情報をアリババなどの企業に積極的に引き渡し、代わりに効率を得ている事である。中国では個人情報云々よりも、結果・効率重視なのだ。

システムもよく出来ている。同時に複数人のオペレーションで閲覧・注文・決済が行われても、レスポンスはほぼリアルタイムで、画面が固まるといったストレスを感じる事がなかった。愛らしい動きをするロボットを間近で見ながらのイートイン。ROBOT.HE 機器人餐庁での体験はとても心地良いものだった。

(取材・文 岡本 侑子 kiCk inc. カルチュラルプロデューサー)

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