どうなる“全人代”?中国iPhoneの街に見る「景気減速」の現実

  • 「iPhoneシティー」の労働者が減り、空き店舗には「貸し出し中」の張り紙
  • ニューヨーク・タイムズが「従業員が1年間で10万人から7万人に減少」と報道
  • 専門家は「習近平の立場は下り坂。下手すると習近平政権が混乱に陥る」と指摘

減速する中国経済

中国全人代の張業遂報道官

米中貿易戦争の影響が指摘される中、きょう開幕した中国の全国人民代表大会・全人代。
中国の国会にあたり、その年の重要政策が決定される。

その全人代を前に、4日の会見で、中国全人代の張業遂報道官は、
われわれは、アメリカと衝突せず、対抗せず、互いに尊重し協力し、利益を得られるよう努めている」と述べた。

河南省鄭州市

米中貿易戦争の影響も受け、減速する中国経済の実態が、ある都市でかいま見えた。
中国内陸部の河南省鄭州市。
数千人もの人々が出勤している工場では、アップル社のiPhoneの全出荷量のおよそ半分を製造している。

周辺には、10万人以上いたとされる従業員のために、地元政府が全面支援して整備した宿舎や商業施設が多くあり、「iPhoneシティー」とも呼ばれている。

iPhoneシティー

店には「貸し出し中」の張り紙

ところが、現在、飲食店の看板は残っているが、中は空となっていて、入り口には「貸し出し中」の張り紙が張られている。

残っている店では、
「人が少なくなったから、景気が悪いよ」
「寮には1万人ぐらいいたけど、今は1,000人ぐらい」などの声が聞かれた。

「貸し出し中」の張り紙が張られた空き店舗

従業員が1年間で10万人から7万人に減少

「iPhoneシティー」から消えた大量の労働者。
アメリカの「ニューヨーク・タイムズ」は、中国の労働環境を監視するNPO(民間非営利団体)の調査を引用し、「iPhoneシティー」の従業員が1年間で10万人から7万人に減少したと報じている。

労働者が減っている理由について、従業員は、
「去年11月ごろから年末までiPhoneの受注は減っていた。米中貿易戦争のためです」
「うわさではリストラしているらしい」と話す。

習近平政権が混乱に陥ることも…

中国経済に影響を与え始めている、米中貿易戦争。

中国の2018年のGDP(国内総生産)の成長率は6.6%と、28年ぶりの低水準となった中での全人代に、平和外交研究所・美根慶樹氏は、
「米中貿易協議が始まって、アメリカから非常に強い要求を受けている。そのために、さらに経済は良くないんじゃないかという心配が出てきている。全人代に出てきている代表からは、もっと景気刺激策を取ってくれという要求が出るんじゃないかという見方もある。習近平の立場というのは、去年に比べると、非常に下り坂にある。下手すると、そこで習近平政権が混乱に陥るので、そうならないように、なんとかこらえてというのが今回の全人代の見どころ」と指摘する。

習近平国家主席

(「プライムニュース α」3月4日放送分)

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