なぜ保釈されたのか 新井浩文被告とカルロス・ゴーンの共通点とは

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  • 新井浩文被告が逮捕から1カ月ぶりに保釈された
  • 性犯罪の中でも最も悪質な強制性交罪なのになぜ?
  • ゴーン被告と新井被告の共通点とは・・・

異例の保釈

ーー元俳優の新井浩文被告が、保釈されたね?

平松デスク:
2月1日の逮捕以来、およそ1カ月ぶりに保釈されたんだけど、でも、実は、保釈されるとは思っていなかったんだ。

ーーなぜ、保釈されないと思っていたの?

平松デスク:
新井被告が、起訴されたのは、強制性交罪。
これは、性犯罪の中でも、一番、悪い犯罪なんだ。
比較するのは良くないかもしれないけど、強盗とかと同じ類の犯罪さ。
しかも、新井被告は、罪を完全に認めていない、被害者の女性は許してくれていない、示談が成立していない。
そんなケースでは、あまり保釈されないんだ。
それにも関わらず新井被告が外に出てくる。
保釈されたら、当然、被害者の女性の心理的なショックは大きいよね。
にもかかわらず、新井被告が保釈されたのは、やっぱり異例と言えるかもね。

ーーそんなに異例なことなの?

平松デスク:
少し前の話だけど、オリンピックで金メダルを取った柔道家が、同じような性的暴行をして、逮捕・起訴されたよね。
この柔道家も罪を認めていなかったんだけど、結局、5回も保釈を請求したにもかかわらず、
全く保釈は認められなかった。
この柔道家は、裁判が始まっても、ずっと拘置所の中にいたよ。
まぁ、これは、特別なケースかもしれないけど、強制性交事件、昔の強姦事件では、なかなか保釈が認められないのが当たり前だったんだ。
だから、検察側は、保釈に反対して、不服申し立ての準抗告したんだ。
このような事件で、検察側が準抗告するのも珍しいんだよね。

人権尊重の観点から

ーーじゃあ、なぜ、新井被告は保釈されたの?

平松デスク:
それは、容疑者・被告の人権を守らなければならない、と言う、人権尊重の流れの影響じゃないかな。
ここ数年、裁判官の中に、人権尊重の流れが強まっているのは間違いない。
しかも、新井被告は有名人だから、他の強制性交事件よりも圧倒的に注目を受けている。
その分、新井被告は社会的制裁、バッシングも受けているよね。
この状態を人権侵害とみる裁判官がいても当然かもしれない。
保釈率も、昔に比べたらずいぶん上がっているんだよ。

ーーそう言えば、最近似たような話がなかった?

平松デスク:
そうそう、人権尊重という意味でいえば、去年、カルロス・ゴーン被告の勾留延長が一旦認められなかったことがあったよね。
あれも有名人だからこその、人権尊重という意味では、裁判所が勾留延長を認めなかったのかもしれないという指摘があった。
結局ゴーン被告はその後再逮捕されて、いまだに勾留されているんだけれども、構図という意味では同じで、〝異例の〟判断に至ったんだよ。
まさか、こんな状況で、新井被告とゴーン被告の共通点が見つかるとは思わなかったよ。

【解説:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】
【イラスト:さいとうひさし】

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